お名前: 太田 三稜さん
学校名:名古屋モード学園 ファッションデザイン学科高度専門士コース
受賞歴:「YKKファスニングアワード」第20回(2020年)【アパレル部門】グランプリ受賞
<YKKファスニングアワード詳細はこちら>
https://www.ykk.co.jp/fa
※グランプリ受賞者への副賞(SL-700EX)贈呈を機に取材した記事を掲載。
ソーイングを本格的にやり始めたのは専門学校の入学時です。シンプルに服が作りたいと思ったのが始まりだと思います。
学校で毎年案内があり三年生から提出するようになったのですが、三年生の時には通らなかったのが悔しく四年生でも参加しました。
デザインの着想段階で華美なものよりもあえてリアルクローズに近いスタイルを打ち出して差別化しようと考えました。バックルを留め付けることで形を成すパターンなので、グログランテープでバックルをメインの生地に挟み、縫い込む際は、生地のヨレや弛みが出ないよう位置と角度、間隔に細心の注意を払いました。5~6 回程の仮組みで一つひとつのパーツの位置取りを丁寧に確認し、バランスを見ながら最終の作品に仕上げました。
コンテスト作品としてだけではなく、街で見かけても違和感のない服がこれからのメインの流れになるのではと思い制作したので、審査員の方々に感性を褒めていただき、とてもうれしく思います。
こだわり・・・
バックルを留め付けることで形を成すパターンなので、バックルをグログランテープでメインの生地に挟み込むことが中心で、その位置取りと角度を生地がヨレたり弛んだりしないよう細心の注意を払い縫製しました。
縫い込むシーンではパターンに書き込まれたバックルの留込みの印を何度も確認してトワルでチェックした角度になるようにしたのがとても辛かったです。
工夫・・・
バックルを挟み込む角度と位置、間隔によってシルエットが流れたり、寄ったり不安定さが残る技法だったので一つひとつ丁寧に位置と角度と間隔を決め、5~6回程仮組みをして一つひとつのパーツを一度バックルで両身組んでバランスを見ました。元々は最終の作品より多くのバックルと切り替えが使われていたのですが、くどさを感じ、またリアルユースを考えたときに不必要だとも思い当初より二割減ほどの切り替えに落ち着きました。
難しかったところ・・・
グログランテープでバックルを挟み込む際に片押さえのミシンアタッチメントを使っていたのですが、どうしても両押さえに比べて不安定だったのでグログランテープの長さを均一にするのが難しかったです。もう一つはバックルのオス、メスをパーツのどちら側に配置するのかを決めるのに少し手こずりました。バックルを外していても付けていても小気味いい配置にするために何度か付け替えをして最終の作品に仕上げました。
洋服づくりだけでなく、アート的な側面を持つ抽象的な作品にも活かしていけたらと思っています。
以前JUKI製ミシンを使用した際に、馬力があり縫い心地がスムーズでとても良いブランドだと感じましたが、副賞でハイスペックなミシンをいただけると知り、大変驚きました。
ファスナー周りの縫製は少し気を遣いますが、JUKIの自由押えは幅が狭いためファスナーの務歯に干渉することなく縫い進められ、ストレスなく縫製できました。今後は洋服づくりだけでなく、アート的な側面を持つ抽象的な作品にも活かしていけたらと思っています。
縫い合わせギャザー押え
今までの作品でギャザーを用いた衣服を作ってこなかったのですが、ゴムやまつり縫いが不要でここまできれいにギャザーが寄せられるアタッチメントがあることに驚きました。ギャザーを用いた衣服も作りたくなりました。
コンパクト型ステッチ押え
仮でポケットを作りステッチを叩いたのですが押えが長くないので突っ掛からず小回りが効きいい押えだと思いました。
ジッパー自由押え
少し気を遣うファスナー周りの縫製ですが押えの幅が狭いのでファスナーの務歯に干渉することなく縫い進めることができストレスなく縫製することができました。
取材:2021年6月