お名前: 岡野 優里子さん
お住まい: 鹿児島県
ミシン歴: 50年
47年前に、毛布カバーの縁を縫う内職を始めるために、工業用ミシンの中古品を買ったのが、ソーイングに関わりをもったきっかけです。ミシン屋さんから、踊るように縫えるミシンがあるとJUKIのミシンを薦められたことを今でも覚えています。ソーイングを内職にしようとしたことからすると、もともと縫いものが好きだったのでしょうね。
その後、100名ほどの規模のカッターシャツの縫製工場に5年ほど勤め、その間は、カフス部分や前立て部分を専門として縫っていましたが、職場の友達から、こっそりその他の工程である襟や縫い合わせ部分の作り方を教えてもらうことを通じて、シャツ作りのノウハウを身につけました。
その仕事を辞めてから今日に至るまで、20年ほどミシンは使っていませんでした。ところが、お友達と雑談をしていた時に、昔、カッターシャツを作っていたことがあるのよ、という話からアロハシャツを作る仕事を依頼され、久しぶりに、縫い物を始めるようになりました。
フリーマーケットに出品して、主にポーチやお財布やバッグなどを販売しています。その中でも大島紬の生地を使ったお財布は大人気なのですよ。
制作する時は、使い手側のことも考えて、お財布の内側にカードが何枚か入れられるように内ポケットを作り、硬貨が落ちないようにファスナーもつけて、しっかり収納できるようにしています。
またデザインとしてパッチワークも取り入れて、世界に二つとない作品を作って販売しています。お土産として一人のお客様が複数買っていかれる方も多いですね。
最近は、着物を着る方が少ないでしょ?
お友達から、お母さんやおばあちゃんの形見の羽織で何か作ってほしいと言われ、このポーチを作りました。最初、お化粧ポーチを作ろうとしたら、通帳を入れたいというので、その要望に合わせてこのサイズに変更して作りました。
本当に日々お客さんから色々と教えられます。
足カバーはないですか?って言われたこともありました。
腕カバーはよく聞くでしょ?農作業や事務作業のときに腕に付けるカバー。でも私、足カバーって聞いたことなくて(笑)。膝をついて草むしりをするときに足カバーを付けると、ズボンも汚れないし、その場で取り外して、そのままスーパーへお買いものもいけるじゃないですか。それに足カバーだけ洗えばいいから、とっても扱いも簡単なのですよ。
こうしてお客さんから、市販はされていない、ちょっとした便利なものを作って欲しいと色々と相談されるので、作るものがどんどん増えていきますね。
先日も絵羽織の刺繍の部分を生かして、バッグも作りました。パッチワークのようにつぎはぎして、デザインしました。
お客さんやお友達に喜んでもらえて、とてもやりがいを感じています。
シャツのボタンホール縫いは最後の工程なのです。
このミシンは、ボタンのサイズに合わせて、一針一針縫いズレなく綺麗に縫ってくれるので、安心してミシンに任せています。
※以下動画はEX7のものですが、DX5も同仕様です。
足の踏み加減でスピード調節できるところが気に入っています。
工業用ミシンを長年使用してきたこともあって、その感覚が今でも抜けず、使用感が工業用ミシンに近いですね。
また、かかと踏み操作で、糸切りや押え上げ操作が出来、常に手は針元に添えておけるのが安心します。
※以下動画はEX7のものですが、DX5も同仕様です。
歳を重ねると針穴が見えづらくなってきて、糸を通すのも一苦労なのです。
でも、このミシンは自動糸通しが完璧でした。番号が書かれた順番に糸を通して、最後のレバーを押すだけで、簡単に糸通しができるのが気に入っています。思わず、お友達に自慢しましたよ。
※以下動画はEX7のものですが、DX5も同仕様です。
生地に合わせて、針や糸の太さを変えても、糸調子が全く狂わないのです。以前使っていたミシンは、その度に糸調子が狂って、全然縫えないことがよくありました。
でもこのDX5はすごいですね。針や糸の太さを変えた時に、いちいち試縫いをして調整をしなくても、すぐに本番に取り掛かれるので、作業がとてもスムーズです。
子供がいらっしゃる方は、自分の子供のものは、親の愛情表現の一つとして、手作りして欲しいですね。特に学校や幼稚園に持って行くものは作ってほしいと思います。
お花やリボンのコサージュなんかも作って、娘は町内でも有名人でしたよ。私は自分の着なくなったワンピースで、娘の洋服も作りました。
実は、洋裁教室に通ったことがなくて、型紙の取り方も分からなかったのですが、お店で既製品のものを購入しては、縫い代ギリギリにカットして全部ばらし、アイロンをかけて、パターンをとったりしました。そこから、襟ぐりを広くしたり、丈を変えたり、フリルを入れたりして、デザインをアレンジすることで、バリエーションを増やすことができるようになったので、とっても楽しいです。
最初の頃は、家族のために作っていましたが、だんだんと自信がついてきたので、お友達やその家族に作るようになって、皆さんからずいぶん喜ばれました。
そんな縁から、毎月、丸岡公園のフリーマーケットや、年1回、出水市の産業祭りに出品するなど、自分や家族だけで楽しむだけでなく、人にも喜んでもらうなど、生活の幅というか、人生の幅が広がって、毎日がとっても充実しています。
既製のものから縫い解いて真似て作った帽子
羽織で作ったポーチ
『できる限りお客様のご要望に応えられること』をモットーに、直接、お客様に、縫いたいもの、お困りのことをお聞きし、ご相談にのっています。
また、販売して終わりではなくて、それから先が一番大事だと思っています。
ご購入後も、是非、使い方がわからない、調子が悪いなど、何かあった時には、気軽に電話一本して欲しいですね。アフターフォローをしっかりすることで、専門店で買ってよかったと感じてもらい、末永くお付き合いしていただきたいと思っています。(丸田ミシン商会(ミシン直販鹿児島):羽月様)
取材:2017年8月