MIMとは、Metal Injection Moldingの略で、金属粉末射出成形を指します。
プラスチック射出成形技術と粉末冶金技術を応用し、三次元形状の金属部品を、ニアネットシェイプ(Near Net Shape)の状態で提供する部品製法技術です。
鋳造とは、金属材料を融点よりも高い温度で溶かし、鋳型に流し込み、冷やして固める金属加工方法の一種です。
この鋳型を作る方法の違いや溶融金属の流し方の違いにより、いろいろな鋳造法が存在します。
鋳造技術の中でも複雑な形状の鋳造品を一体成形する技術に精密鋳造技術があり、ロストワックス精密鋳造はこの精密鋳造技術のひとつです。
JUKI会津(株)の精密鋳造
①複雑な形状の一体鋳造が可能
複雑な形状をもつ部品に適したロストワックスならば、従来は別々に加工・組立をしていた製品でも一体鋳造が可能となり、コストダウンにも寄与します。
ロストワックスで使用される金型は、多いもので20個以上の型で構成される分割型もあり、抜き勾配も不要となります。
②数gから数10kgまでの部品への鋳造対応
工業用ミシン部品から発電機のタービンブレードまで、幅広い範囲の部品に対応可能です。
形状や大きさについて、お客様のご要望をお気軽にご相談下さい。
③複雑な3次元曲面や内部形状も可能
ロストワックス精密鋳造により、機械加工では困難な複雑な三次元曲面の形成が可能です。
また、セラミック中子や中子ワックスの活用により、複雑な内部形状であっても自由な設計ができます。
④約80種の材質の加工に対応
一般鉄鋼や一般非鉄のほかに、真空鋳造設備によりチタン合金や耐熱合金、コバルト合金などの素材も使用可能です。
⑤自社の金型工場も保有
ロストワックス製造のための金型も自社で制作しております。
金型設計では3次元CAD/CAM、金型加工においては、高速加工機導入により、高精度、短納期、コストパフォーマンスの高い金型の安定供給を行います。
生産設備
■成形機
■コーティング
■オートクレーブ(脱ロウ装置)
■大気鋳造
■真空鋳造
製品事例
■人工関節
[材質]コバルト合金、チタン合金
■タービンブレード
[質量]1~40kg
[材質]SCS3,SCS13,INCO713,INCO738
■船舶/工具関連部品
JUKI会津(株)のMIM
①自社で開発したMIM材料
高級粉末と粉末配合技術により、他社よりワンランク高い精度と密度を実現しました。そのため材料費は高くなりますが、二次加工の簡略化により完成品でコストメリットを出すことを可能です。
自社開発材料の例:JMOLD(R)(SNCM系鋼)、SKD11-SH、SUS440C-SH、J-HSS(ハイス鋼)
※JMOLD(R)は当社の登録商標です。
②焼入から完成化まで請負
大手MIMメーカーではほとんど取り扱っていない機械部品用のSNCM鋼を独自に開発(JMOLD)し、焼入焼戻しまで行った完成品を提供しています。
当社独自のサイジング技術(閉塞矯正)を積極的に取り入れ、寸法精度や幾何精度を向上させています。
③パーマテック法由来の技術採用
MIM技術の元祖であるパーマテック法を基本として、独自に改良を加えたJUKI-MIMシステムを採用しています。
パーマテック法の特徴は溶剤脱脂とバインダ技術にあり、他社では不可能な肉厚部品を可能にしています。
④多品種少量に対応
自動化設備がほとんどないため、大量生産(月産数十万個)は不得意です。逆に、大手MIMメーカーが苦手としている「多品種少量品」が得意です。月産数百個から受注しています。
加工完成化まで一貫して行いますので、少量でもコストメリットを出すことが出来ます。
⑤金型から自社で手がけることによりプロトタイプから採用可能
3D-CAD・CAMの導入や、ITの活用によりお客様とCADデータを直接やりとりするなど、設計初期のプロトタイプ段階からMIM素材を提供しています。
一例として、アルミ合金製の簡易金型を使い、30~200個一式で30~60万円の試作品を提供可能です。
生産設備
■射出成形機
■焼結炉
製品事例
■各種MIM部品①
[用途]工業用ミシン部品、釘打ち機、一般産業部品
■各種MIM部品②
[重量]最大300g程度
[肉厚]15mm
[用途]金型の中子部品など
金型製造とは、金型設計・金型加工・金型組立の一貫したプロセスです。金型設計では3次元CAD/CAM、金型加工では、高速加工機導入により高精度の金型を実現させています。
JUKI会津(株)の金型製造
①自社の金型工場です。
自社の金型工場で責任を持って、迅速に制作しております。
②高精度、短納期、高コストパフォーマンスを実現
3次元CAD/CAMによる金型設計、高速マシニングセンター、高精度放電加工機などにより、高精度、短納期、コストパフォーマンスの高い金型の安定供給しております。
③精密部品加工も得意です。
金型加工技術を応用した、高精度の部品加工も行っています。また、ロストワックス・MIMの加工完成化にも貢献しています。
④スキル集団を目指しています。
金型工場は、当社の中枢であることを自覚し、ものづくりの腕を磨いております。1級技能士、2級技能士を多く擁する技術集団です。
生産設備
3D-CADで金型を設計しCAMでNCデータ化
各工作機械へ光ファイバーで転送しています
数万回転主軸の高精度マシニングセンタで金型を加工します
型彫り放電加工、ワイヤー放電加工機で金型部品を製作します