「大釜」を中厚物仕様で実現
セミドライヘッド2本針本縫針送りソーイングシステム
LH-4500CのSタイプ(中厚物仕様)シリーズを発売
JUKIは 2 本針本縫いミシンにおいて、 “縫い”の調整 機能を デジタル化し、縫い品質の向上と段取り時間の低減に加え、JUKI専用アプリとミシンを連動させることにより生産管理を可能にした 、セミドライヘッド2本針本縫針送りソーイングシステム「 LH-4500C シリーズ」に、新たにSタイプ 中厚物仕様 シリーズを 加え、1 0 月2 1 日 より国内にて発売します。
今回、品揃えに追加したSタイプ中厚物仕様 は、Yシャツの前立て、カジュアルウェアや作業着などのポケット付け 、などに 使用されるミシンです。 2本針ミシンは装飾用のステッチとして用いられ 縫い目が表に出るため、高い縫い品質が求められます。
当機は、中厚物 生地の縫製では難しかった「大釜」の使用を実現した製品です。 大釜は下糸の巻き量を約2倍にできるため 、毎日頻繁に発生する下糸の交換回数を半減できる効果があります。 これまで大釜は、主に厚物生地の縫製で採用されていた釜で、中厚物生地で使用すると、“縫いムラ”や“糸切れ”など の不良 が発生し易く 、従来は採用が見送られてきました。
当機は、“縫い”の調整機能をデジタル化したことにより、不良の原因となっていた微妙な調整が可能となり、また中厚物生地用の 「大釜」として、設計段階から見直しを図り、 改善を加えました。
当社は、縫い品質の向上と段取り時間の低減に加え、ミシンとアプリの連動で生産を管理する 「 LH 4500C シリーズ」 を拡販するとともに、今後も IoT を活用したソリューションの可能性をさらに探求し、お客様工場のスマート化のお手伝いを行ってまいります。
◆特長
1.中厚物仕様に大釜(1.8倍釜)を採用
ジーンズ・厚物仕様に用いられていた大釜(1.8倍釜)を中厚物仕様に採用しました。中厚物用に大釜を使用するのは世界初となり、糸交換の頻度が約45%削減し、ダウンタイムの低減・オペレーターの負担が軽減します。また、デジタルミシンならではの下糸残量補正と合わせて安定した縫い品質を実現します。
2.デジタル化による縫い品質の向上
① 糸調子機構アクティブテンションを採用
- 左右独立した上糸アクティブテンションを採用。縫いの速度や下糸の残量により変化していた上糸の張力を自動で補正し、糸調子の安定化を実現します。
- デジタル制御により押え圧をコントロールします。オートモードでは段部検知機能により、段部変化にも自動的に加減圧します。マニュアルモードでも手元スイッチに設定し、操作が可能です。(アクティブ押え圧機構)
- 下糸の残り量がわずかになると交換サインでお知らせします。(下糸残量補正機能)
②段部検知装置を装備
段部検知装置を搭載し、平部と段部の縫い調整がそれぞれ設定できるため、段部縫製時に縫いピッチが詰まる、糸が締まらないといった問題を解決できます。
③角縫い機能を向上(LH-4588Cの角縫い付きのみ)
角縫いの切り替えは従来からのレバー式を踏襲し、操作性はそのままに半自動化を実現しました。事前に針幅や縫い角度の情報をパネルに入力することで、自動制御によりオペレータは角縫い開始時のレバー操作のみで切り替えができ、初心者の方でも生産性向上と安定した縫い品質が得られます。さらに、角部内側の縫い目が浮いてしまう※という問題も、アクティブテンションの補正機能により解消できます。
3.フルカラー操作パネル
① IoTを活用した縫製・ミシン管理
縫い調整データは市販されているAndroid端末との間で非接触による双方向データ通信ができます。これにより、縫製ラインのミシンの一律設定が容易にできます。操作パネルにはUSBポートを標準装備し、装置間のデータ管理やソフトのバージョンアップも容易に対応できます。
② JUKI Smart APPにより様々な情報を送信・確認することが可能
アプリには、管理設定(端末登録)、ミシンデータ(縫製データ)、問題解決グラフの項目があります。問題解決グラフでは、取得した各ミシンデータから生産高グラフ、稼働率グラフなどを作成しますので、現況確認や解析に活用できます。
4. 作業環境の改善
① 針幅変更・ 釜合わせ 時間の短縮
パネル操作にて、釜合わせモードを選択することで、針幅の変更時などに行う、釜合わせに要する時間が大幅に低減しました。また、釜の針受けをネジ方式にしたことにより、調整作業が容易になりました。
② 音・振動の低減
1/2オープナー方式の採用などにより、稼働音を従来機対比35%、振動を40%低減しました。オペレータのストレスが軽減する作業環境を提供します。
③ LEDライト
アームあご下にLED照明を標準装備しています。これまでの調光に加え(白色⇔中間色(初期値)⇔電球色)の色合いの変更が可能になり、オペレータが作業しやすい明るさに設定できますので、目の疲れの軽減や作業効率をサポートします。
◆発売日 海外 2020年10月
日本 2020年10月21日
◆希望小売価格「国内」完成品(消費税抜き)
セミドライヘッド2本針本縫針送りソーイングシステム <中厚物仕様(フルデジタル・糸切り付き)>
- LH-4588CFSF-7-NB (角縫い付き、ニッパー、タッチバック、自動押え上げ機能付き) 730,000円
- LH-4578CFSF-7-NB (角縫いなし、ニッパー、タッチバック、自動押え上げ機能付き) 611,000円
セミドライヘッド2本針本縫針送りソーイングシステム <中厚物仕様(フルデジタル・糸切りなし)>
- LH-4578CFSF-0B (角縫いなし、タッチバック、自動押え上げ機能付き) 535,000円
■製品に関する問合せ先 JUKI株式会社 縫製機器&システムユニット 営業推進部営業推進グループ 松山 繁博 TEL:042-357-2355 ■報道関係のお問い合わせ先 JUKI株式会社 経営企画部 企画グループ 林 桐子 TEL:042-357-2294 |