行政
経産省、ファッション未来研究会踏まえ 新施策繊研,〔21・12・27(3)〕

経済産業省は21年11、12月に開いた有識者会議「ファッション未来研究会」での討議を踏まえ、ファッション・クリエイション振興策を始める。デザイナーやクリエイターが自身の作品をNFT(非代替トークン)を活用して販売する実証実験を開始するほか、今年度補正予算で海外で活用するクリエイターと産地などの中小事業者の協業商品を海外に発信する事業を新設した。

規格
新型コロナでJIS開発繊維ニュース,〔21・11・29(6)〕

繊維関連の標準規格作成を担う繊維評価技術協議会は、22年度の標準化開発事業の候補として抗新型コロナウイルス性試験方法の日本産業規格(JIS)開発を上げた。既にJISと国際標準規格(ISO)に採用されている抗ウイルス性試験方法をベースに開発を進める。ただ、新型コロナウイルスを取り扱うためには現行の抗ウイルス試験よりも試験室のバイオセーフティーレベルを引き上げる必要がある。このため実際に試験を担う検査機関などとも協議しながら、JIS開発の検討を慎重に進める。

素材
化繊協会、カーボンニュートラル実現へ繊研,〔21・11・5(2)〕

日本化学繊維協会は50年のカーボンニュートラル実現へ向けた取り組みをまとめた。国内化繊産業の直近の二酸化炭素排出量は年147万トンで、大半を占める自家発電の低炭素化や脱炭素化を進め、リサイクルやバイオマス繊維の普及、繊維to繊維リサイクル推進に取り組む。

加工
代替肉ブランドがアパレル繊研,〔21・11・04(3)

オランダ設立の代替肉企業のザ・ベジタリアン・ブッチャーは、廃棄予定の野菜で染めた生地を用いたサステイナブルファッションに参入した。ブランドタグには古紙に野菜の種を漉き込んだシードペーパーを用いており、土に植えると3種類の野菜を育てることができる。対象アイテムはTシャツで、東京・池袋のコンセプトストアとECで販売する。

アパレル
2050年に ファッションロスゼロ達成目指す繊研,〔21・11・16(3)〕

ジャパンサステイナブルファッションアライアンスは11月に第1回総会を開催、「2050年に向けて繊維・ファッション産業の構造転換を推進し、ファッションロスゼロとカーボンニュートラルを達成する」とした達成目標を確認した。サステイナブルの実現に向けて、企業や行政の取り組み、課題を共有する。業界を横断して解決策を導く企業連携のプラットフォームの活動が始動したことになる。

アパレル
アパレル、国内生産回帰日経,〔21・12・15(1)〕

ワールドやTSIHDなどアパレル大手が国内への生産回帰を進める。円安や現地の人件費上昇で海外コスト負担が増している。新型コロナウイルス禍で物流混乱も収束が見えず、国内生産を増やし商品を安定調達できるようにする。中国や東南アジア中心のアパレル生産網に変化が出てきた。

流通
移動販売車で服を売る 繊研,〔21・12・20(1)〕

キッチンカーとして飲食業態では定着している移動販売車両を、アパレルに活用する動きが広がっている。コロナ禍で外出を控える人が増え、商業施設の集客力が弱まる中、機動力や初期投資の低さを生かし、作り手自らが客先に赴くようになってきた。天候に左右されやすく、試着しにくいといった課題はあるものの、常設店とECをつなぐ新しい販売手法として注目される。

消費
古着のアップサイクルにZ世代が注目日経MJ,〔21・11・8(1)〕

生地を染め直したり、つなぎ合わせたりする古着の「アップサイクル」が注目されている。環境のサステイナビリティーの面だけでなく、1点物のアップサイクルはZ世代にとって「個性」という面で新鮮に映り支持され、リメーク専門店やブランド、百貨店などによりサービスが広がっている。コスパ志向の消費者と「着たい」と思われる衣料品の提供を求められる企業と環境の「三方良し」の実現が重要となる。

消費
商品に関するジェンダー意識繊研,〔21・11・10(3)

CCCマーケティング総合研究所は、このところ「ジェンダーニュートラル」が話題に上がる中、商品に関するジェンダー意識調査を実施した(男女16~79歳:2061名対象)。ランドセルの多色展開、学校制服のジェンダーレス化、一部のアパレルブランドで男性と女性の洋服サイズの比較表を用意する店舗があるなど、消費の世界にもジェンダーレス化の動きが広がっている。