行政アパレル不況のなかで婦人下着に底堅さ日経MJ,〔20・11・16(11〕
総務省の家計調査で、婦人用下着の実質支出6~8月は洋服を20ポイント以上、上回った。自宅で過ごす時間が増え、実用性や機能性の高い下着の需要が伸びている。外出自粛が緩和された夏以降は売れ筋が中高級の価格帯へと広がり、洋服に比べて健闘ぶりが目立つ。
素材ナイロン糸・再利用などサステの流れ繊維ニュース,〔20・11・19(1)〕
サステナビリティーの注目が高まる中、ナイロン糸でも植物由来やリサイクルの商品が増えつつある。再生ナイロンは工場から出る糸くずの再利用に加え、漁網など廃棄物の再利用も進み始めた。植物由来はそれぞれの企業で素材特性が異なり、新たな訴求ポイントにもなっている。サステナビリティーだけでなく、ナイロン6とは異なる糸特性も訴求ポイントとなる。
加工新型コロナに効果確認繊維ニュース,〔20・11・20(2)〕
シキボウはこのほど、同社の抗ウイルス加工「フルテクト」を施した機能素材が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗ウイルス効果があることを確認した。試験は、フルテクト加工を施したレーヨン100%不織布と綿100%織物を対象に「JIS L 1922 抗ウイルス性試験」に準拠して実施。洗濯前と洗濯10回後ともに、それぞれ繊維上のウイルス減少率99.9%以上となる結果を得た。
アパレルアパレル業界の新・産業戦略論繊研,〔20・11・27(8)〕
ターンアラウンド・マネージャー河合拓の寄稿で、衰退傾向にある繊維・アパレル産業の30年間の経過を説明。今後のために、競合先からの顧客の奪取を考え、そのために圧倒的生産性の実現と人材育成が急務と提案している。
アパレルRCEPに15ヵ国が合意・署名、日中繊維品の関税の多くが撤廃繊研,〔20・11・17(2)〕
本、中国、韓国と豪州、ニュージーランド、ASEANの15カ国が、自由貿易圏構想「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」に合意、署名した。インドは加わらなかったが、世界のGDPの約3割、日本の貿易総額の約5割を占める地域の連携協定で、物品・サービス貿易や原産地規則、知的財産、電子商取引など20分野に関するルールを整備した。これにより、繊維・繊維製品のほとんどの関税が撤廃され、域内での日本製品の輸出促進が期待される一方、輸入も増加し、国内市場での競争激化も予想される。
流通商社が気象協会と提携 アパレル需要予測サービス繊研,〔20・11・26(1)〕
伊藤忠商事は、日本気象協会とアパレル向け需要予測サービスの設計、開発及び運用で業務提携契約を結んだ。アパレル、小売り企業が過去のPOSデータなどを提供し、それらを基に日本気象協会が長・中期の気象予測などと融合し、アイテムごとに需要を予測。生産計画や生産調整、マークダウンの最適化などに利用する。21年春夏から秋冬に需要予測サービスをテスト運用し、22年春夏から本格展開する。
流通衣服の廃棄ロスなくせ、コロナ影響で新品でも処分増日経(夕),〔20・11・18(11)〕
新品なのに売れず廃棄寸前となった服を無駄にしないための工夫が広がっている。個人や事業者が買い取ってSNSで若い世代に着こなしを提案する動きや、服地を再利用して新たな服を作るといった取り組み。国内では年間15億着以上が過剰在庫になるとされる。新型コロナウイルス禍で売れ残る服は増えており、廃棄の減少に期待の声が上がる。
消費服作りで学ぶ倫理的消費朝日,〔20・12・7(15)〕
家庭科の新学習指導要領では、「持続可能な消費生活・環境」が一つの大きな柱として位置づけられる。お茶の水女子大学付属高校では、エシカル(倫理的な)消費の実践を教えている。その取り組みの一つが服作りだ。先生からの指示は、天然素材を使うこと。そしてエシカルであること。まず服作りを体験してもらい、その時に見つけたポイントを生徒間で共有し、視点を深めていくのが狙い。エシカル要素を取り入れた文化祭の企画や、NGOのインターン参加など、授業を機に、生徒たちの行動は広がる。
その他学連携授業 環境配慮型が増加傾向繊研,〔20・12・18(5)〕
服飾系の大学や専門学校が企業などと連携し、実践的な教育を行う産学連携授業が、時代に合った形に進化している。従来は、新ブランドや新商品の開発など、物づくりや店頭販売の実践が多かった。最近は廃棄衣料の再生、カスタムオーダーなど、持続可能で環境に優しい未来創造型のビジネスに、産学で取り組む事例が増えている。