行政
07年工業統計速報で衣服製造業の厳しさ目立つ繊研,〔08・11・18(8)〕

経済産業省の「07年工業統計速報」(従業員10人以上)で、24産業中衣服・その他繊維製品製造業が廃業等の割合が最も高く、1人当たり付加価値と現金給与額が最下位であることが確認され、厳しさが確認された。

行政
09年度繊維関連予算案日繊,〔08・12・24(1)〕

財務省が内示した09年度予算原案で、経済産業省の繊維関係では生活関連産業ビジネス拠点整備事業(JFW関連)予算が、今年度と同額の6億円を確保した。また。輸出振興の重要性が増す中で、新たにJAPANブランド戦略展開支援事業が予算化された。他に人材育成事業でも新規要求が認められた。

素材
国内で増える自家栽培-オーガニックコットン-繊研,〔08・11・6(1)〕日繊,〔08・11・17(1)〕

日本の繊維産地で、自らオーガニック農法による綿花の栽培に取り組むところが増えている。08年度に始めたのは、馬淵繊維(香川県)、吉河織物(岡山県)、サムライジーンズ(大阪府)、四川(広島県)の4社、09年からはタビオ(奈良、愛媛)も加わる。用途は子供向けを中心に婦人向けや、ジーンズ、靴下など、ここ数年の住や食への安全性への意識の高まりから、衣でもトレーサビリティ(生産履歴追跡)が求められ始めたためである。馬淵繊維では、収穫前から、大手百貨店などから取り組みの話があり、09年は1万坪で栽培するという。

加工
ステイ・トゥルー・コットン染織経済新聞,08年12月号、〔08・12・15〕33~35

コットン・インコーポレイテッドのステイ・トゥルー・コットン(STAY TRUE COTTON)が紹介されている。同社独自の意識調査結果「洗濯しても色が褪せないジーンズが望まれる」に基づいて開発された加工であり、デニムジーンズ本来の色合いと濃度を維持し、湿摩擦堅ろう度を向上させたもの。この加工に重要な加工剤は(1)ポリカチオン系フィックス剤、(2)ポリエチレン系柔軟剤、(3)ブロックドイソシアネート架橋剤の3種類で、その加工処方と処理条件が示されている。製品加工・洗い・染色が終った段階で施される。所定の薬剤を付与し、加熱して染料を繊維上に固着する。

アパレル
アパレル生産に変化の兆し繊研,〔08・12・1(1)〕

日本向けアパレル生産の過度な中国依存に対するリスクヘッジの必要性が叫ばれて久しいが、日ASEAN包括経済連携(AJCEP)協定が12月発効することもあって、ASEANが再び脚光を浴びている。中国以外の新たなソースの開拓に関心が高まっている。

アパレル
国産商品を共同開発繊研,〔08・12・1(1)〕

日本アパレル産業協会の商品開発部会は、素材から縫製まで国産にこだわった商品を開発し、共同で店頭販売するプロジェクトに乗り出している。このプロジェクトは、卓越した日本の技術を衰退させることなく、その技術を生かし、世界に誇れる完成度の高い日本商品を開発することを目的に今年度新設された。参画するのは、マツオインターナショナル、サンエー・インターナショナル、三陽商会、花井、フランドルの5社。現時点で、5社がそれぞれの自社ブランドで、国産の生地を国内で縫製し、完成した商品を集約して百貨店のイベントスペースで共同販売することを想定している。

アパレル
スポーツ各社 中国市場慎重な姿勢に日繊,〔08・12・24(1)〕

アディダス、ナイキなど欧米ブランドをはじめ、日本のミズノやデサント、アシックスも中国市場への進出を加速してきた。また、李寧などドメスティックブランドの台頭も著しい。広大な国土と人口を頼みに、スポーツ各社は主要都市に次々と店舗を展開していた。当初外資系メーカーの中では北京オリンピックの開催がきっかけで一般市民の間にも急速に協議のニーズが高まると見る向きもあったようだ。現実はそれほど甘くはなかった。過去2・3年の間に過当競争が更に増加し、出展攻勢が激しくなり在庫が一気に増えてしまった。需要に対する供給過剰の状態で、当面は各社とも痛みわけに終わりそうだ。

流通
ブランド衣料もネットで買う日経,〔08・12・10(31)〕

衣料品のネット通販は、カタログ通販会社の自主企画商品が普通だったが、ブランド衣料品を購入する女性が増えている。ファッション誌に掲載された商品をその場で購入できたり、気に入らなかったら返品できたりと、使い勝手がよくなったためである。

品質管理
「SEK青マーク」繊研,〔08・12・12(4)〕

繊維評価技術協議会(繊技協)の抗菌防臭加工繊維製品「SEK青マーク」認証が、日本適合性認定協会(JAB)から、ISO/IECガイド65「製品認証機関に関する一般要求事項」に認定された。JABからこの種の認定を得たのは繊維業界では初めて。来春以降、品質性能を保証するSEK青マークと、さらにそのマーク認定の信頼性を国際的に保証するJABの2つのマークを製品に併記して表示できるようになる。繊技協は、10年前から国際的な認証システムの確立に取り組んできた。表示偽装などが社会問題化するなか、今回の認定により、SEK青マーク製品の信頼性向上、国際競争刀アップ等に期待を強めている。

その他
岐阜・技能実習等受入適正化事業繊研,〔08・12・10(3)〕

岐阜労働局など9つの機関・団体で構成する技能実習等受入適正化推進会議は、外国人研修・技能実習を受け入れている第1次受け入れ機関に対し、実習生らの労働条件改善を要請することを決めた。法定の最低賃金や残業割増賃金を支払わないなど法違反が多発しているため。岐阜県には4千人の研修生、9千人の実習生いるが、51%が繊維・衣服に従事している。