行政
日印EPA合意、繊維は2工程ルール採用繊研,〔10・10・27(2)〕

日本とインド両国政府は、2国間のEPA(経済連携協定)で合意、日本は次期通常国会での承認を経て11年中の発行をめざす。繊維関連では、原産地規制は日本提案の2工程ルール(ASEAN型)が受け入れられた。日本のすべての繊維製品について関税を即時撤廃、インド側は1771品目の関税を即時撤廃、化繊などの70品目の関税を10年間で段階的に撤廃する。

素材
暖か素材のラインアップ充実日繊,〔10・9・7(3)〕

インナー・肌着素材の11年秋冬商戦が始まった。合繊メーカー・インナー部門は暖か素材の性能アップとともに「より軽く、より薄く」を実現するための商品開発に力を入れている。また、長引く国内消費の低迷を踏まえ、海外に打って出ようとの機運が高まっており、独自素材、高機能素材で新規商圏を開拓する取り組みが以前にも増して活発になってきた。ここでは、合繊メーカー各社の取り組み状況を紹介している。

素材
綿花、史上最高値日経(夕),〔10・10・18(3)〕

綿花の国際価格は、NY市場の先物(期近)で1ポンド1.198まで上昇、1870年公設取引所開設以来の最高値を付けた。中国などの新興国の需要が伸びる一方、洪水被害を受けたパキスタンの供給減、さらに米国の金融緩和観測から投機マネーが流入したとみている。

アパレル
衣料品の生産中国離れ加速日経(夕),〔10・10・7(1)〕

バングラディッシュやベトナムなどアジアの後発新興国からの衣料品輸出が急増している。日米欧の衣料専門店や小売り大手が人件費の上昇が続く中国に集中した生産体制を見直し、より賃金の低い後発新興国で生産を拡大しているためだ。カジュアル衣料「ユニクロ」のファーストリテイリングは中国以外での生産比率を現状の2倍に引き上げる計画。衣料品生産で"中国離れ"の動きが強まりそうだ。

アパレル
ISO衣服サイズの動向-20年ぶりに中国で再開された国際会議-知久幹夫,家政誌,61(10),〔10・10〕 p685~686

中国の常熟でISO/TC13「衣服サイズと名称」の国際会議がアジアアフリカ5カ国の参加で開催された。その背景について、中国の衣服基準化の歴史と今後の方向性、JIS衣料サイズ、ISOと各国規格との関係などを報告した。

アパレル
一変する中国の投資環境 広がる事業投資OEM繊研,〔10・10・21(7)〕

工場の生産手配やLC代行(輸入代行)などを軸にしてきた商社の製品OEM(相手先ブランドによる生産)が大きく変わりつつある。原材料の値上がりや主力生産地である、中国のコストアップ、工場の人手不足問題などから生産環境は一変。店頭のデフレ圧力や競合の激化もあって、依然収益性は低下傾向にあるだけに、企画デザインを含めた素材から製品までの一貫提案で、チャイナプラスワンを含めた工場の囲い込みも表面化、開発や、仕入れした原材料・素材を製造加工し、できあがった製品を売るバリューチェーン全ての商流に関わっていくのが今の商社ビジネスモデルと言える。

流通
衣料、売りは「日本製」日経(夕),〔10・10・2(1)〕

衣料品や雑貨を扱う専門店やスーパーなどが相次ぎ日本製の商品を拡充している。低価格一辺倒ではなく、ものづくりへのこだわりを訴えて高価格帯の商品を消費者に売り込む狙いから、メード・イン・ジャパンが見直されている。一大生産拠点である中国のコスト上昇で、日本国内の生産拠点を活用しやすくなってきた事情もある。

クリーニング
ISO 26000日本クリーニング,〔10・10・25(3)〕

ISO26000は、9月12日、加盟国の投票の結果、賛成多数で締め切られた。11月1日に発効する予定。この規格は日本ではCSRとして認知されてきたが、CがはずされてSR(Social Respon-sibility)となった。その趣旨は企業に限らず、病院、NGO,自治体、政府機関、大学などを対象にする。また社会的責任を次の7原則と明確化した。説明責任・倫理的行動・透明性・利害関係者の尊重・法令順守・国際行動規範の尊重・人権尊重。また主要課題として、7分野を記載した。

消費
特集「意思決定」感性工学,9(4),〔10・9〕p197~240

購買行動における意思決定は、企業のマーケティングでも重要視されてきた。人間工学会誌は意思決定を特集し、6件が掲載された。その一部を紹介する。竹村和久(早稲田大学)は、意思決定を広く捉え、「望ましい意思決定とは何か」を問いかけ、これまでの合理性の観点のほか、他者の福祉や行為の美しさなど、もっと多元的に捉える必要性を説いた。小阪祐司(オラクル)は、商品説明は理性に訴えるよりも、感性に訴えるほうが意思決定に寄与することを実証した。藤井聡(京都大学)は選好(好み)が形成される過程に注目し、食物選択で腐敗物を避ける動物的な段階から、高度の学習によるシンボル体系まで、段階的に考えた。

その他
国内製造の存続と強化を呼びかけアパレル工業,〔10・10・1(1)〕

国内のモノ作りの復権を目指す取り組みが始まっている。「日本発ものづくり提言プロジェクト実行委員会」による同提言プロジェクトがそれで、国内の繊維・アパレル製造業は存亡の危機に立たされているとして、国内製造の存続と強化を繊維・ファッション業界に広く呼びかける意見広告運動を提唱している。「賛同のお願い」には、国内生産の縮小が続いていること、受注に応えられない事態も起こっていること、市場もメード・イン・ジャパンを求めていること、が述べられている。発起人代表は貝原良治カイハラ会長。