行政
経産省、衣料のアジア輸出促進日経MJ,〔08・10・15(7)〕

経済産業省は中小企業庁と連携し、海外の販路開拓を支援する専門事務局を発足するなど09年度から中小繊維事業者が生産した製品のアジア輸出を強化する。日本独自の素材や技術を生かしたJAPANブランドを海外の衣料品メーカーの仕入れ担当者に紹介する事業を始め、新商品開発に補助金も出す。

行政
京都議定書、達成遠く-温暖化ガス排出量、昨年度最高に日経,〔08・11・13(3)〕

環境省が発表した2007年度の国内の温暖化ガス排出量は二酸化炭素換算で前年度比2.3%増の13億7100万トンと過去最高を記録。温暖化ガスを出さない原子力発電所の停止が響いた。京都議定書の実行期間がスタートした08年度は景気減速で排出量が抑制されるものとみられるが、原発の運転再開など不透明な要素も多く、議定書の目標達成へのハードルは高い。

素材
水だけで洗濯できる下着日経産業,〔08・9・26(26)〕

グンゼは水だけで洗濯できる下着を、来春までに男性用だけでなく、女性・子供用にまで広げる。商品はグンゼが独自開発した綿素材を使用しており、洗剤を使わずに水だけで洗濯しても皮脂や汗の汚れを落とせるのが特徴。すすぎの工程も不要。環境負荷が軽く洗濯の手間がかからないことを売り物にしている。家族全員が同じ下着を身につければ、まとめて洗いやすくなる。女性向けは「ネクストラインナー」の名でキャミソールや七分袖など5種類、子供向けは「ザ グンゼfor boys」などの名称で発売する。肌の刺激を減らすためブランドタグを廃止するほか、新生児向けは縫い目が肌に当たらないよう裏縫いするなど、付加価値の高い商品にシフトすることで、競合の激しい国内で成長を目指す。

素材
有機栽培綿へ切り替え繊研,〔08・10・21(4)〕

伊藤忠商事繊維原料課は、インドでオーガニックコットンの生産に切り替える零細綿農家を支援する「プレ・オーガニックコットン」企画を立ち上げた。オーガニックコットンに認定されるまでの3年間、無農薬で育てられたコットンを全量買い付け、合弁工場で紡績糸にして販売する。今年3月からオーガニックコットンのコーマ糸のストック販売も始めており、「オーガニックを世界に広める」環境対応ビジネスを強化する。

加工
ウールの伸縮新加工繊研,〔08・11・6(3)〕

ソトーテキスタイル事業部は09~10年秋冬向けに、ウール織物で優れた伸縮性、キックバックを発揮する加工「ネオストレッチ」を開発した。従来もスパンデックスを使わない同様の加工はあったが、特にキックバック性が向上し、ひじやひざ抜け防止に、より効果的となった。伸び率は12~13%あり、耐久性にも優れる。ウールが土にかえることや、スパンデックスより製造過程や廃棄で環境負荷が少ないことも訴求する。テキスタイルの自販を行う同事業部は07年5月に設立された。また、業務提携するダイドーリミテッドとは輸出で取り組んでいる。

アパレル
量販店向け09年春夏物 エコ・機能素材前面に日繊,〔08・10・21(1)〕

婦人アパレルは量販店向けの09年春夏物で、エコ素材と機能素材使い商品を積極的に提案する。ミッシー・ミセス層における地球環境保全への意識の高まり、不況感での消費低迷に対する需要喚起などで打ち出すもので、付加価値性を訴求しながら、量販店平場としての値ごろ価格を重視する。

アパレル
調整期迎えた中国繊維ビジネス繊研,〔08・10・24(1)〕

「世界の工場」として大きな伸びを続けてきた中国の繊維産業が調整局面を迎えている。世界的な景気減速や元高、人件費をはじめとする様々なコストの上昇を背景に、輸出に陰りが目立ってきた。内需の動向は読みづらいが、過去のような成長は望みにくい状況だ。ただ、総論では厳しい局面だが、この間に布石を打ってきた企業の中には、今が逆にチャンスととらえる向きも多い。外資系企業の中には中国内販に力を入れる動きが進んでいる。2008年10月20日~23日に開催された素材展、インターテキスタイル上海から中国繊維産業の動きを探った。

流通
新バーコード実証実験日経MJ,〔08・10・20(4)〕

流通システム開発センターは、消費期限などのデータ領域を増やせる新しいバーコード「GS1データバー」の実証実験を始める。POSによる読み取り精度などの読み取り精度などの課題を検証、2010年から国際標準のバーコードになることの期待も大きい。現在のバーコードより、小さな面積で商品識別のデータに加え、製造日やロット番号、値引き情報など任意で入れられる。

消費
秋冬物衣料品の購入意向日経MJ,〔08・9・24(2)〕

日経が実施した秋冬物衣料品の購入意向調査で、食品や日用雑貨などの値上げが衣料購入に影響し、購入額を昨年に比べ減らす予定の人が4分の1に及んでいる。減らすと答えた人は、女性ほど、50代・60代多かった。また品目では重衣料購入が低い。

その他
外国人研修生 失跡・途中帰国12700名 厚生労働省に改善要求東京,〔08・10・10(28)〕

発展途上国への技術移転を目的に国が推進する「外国人研修・技能実習制度」を会計検査院が調べた結果、2年目以降の技能実習途中に受け入れ先の企業から失跡したり、帰国したりした外国人が2006・2007年度で、計約12,700人(一部重複)に上ることが9日、分かった。検査院は、同制度をめぐり低賃金労働や賃金未払いなどのトラブルが続発しているため実態を調査した。厚生労働省が運営委託先の財団法人に支出した費用は両年度で計約7億3千万円に上り、検査院は同省に研修生、実習生の雇用状況を把握し効果が十分上がるよう改善を求めた。