行政経産省、人間特性基盤整備事業-首都圏で人体寸法・形状計測-繊研,〔05・9・14(5)〕
経済産業省は、04年度から06年度までの3ヶ月計画で実施中の人間特性機番事業の一環として首都圏での人体寸法・形状計測を開始する。これは人間の寸法や形状などの特性を踏まえた製品開発や設計に必要な基礎データを整備するのが目的。数千人規模の人体形状計測と、人体形状から人体寸法を自動的に算出するシステム開発が重点事業となる。得られたデータは、衣料品、自動車、家電、家具、住宅などの製品開発、工場やオフィスなどの職場環境、駅や公園などの公共施設の設計、ISOやJISを作る際などに役立てる。
素材キュプラで新素材繊研,〔05・9・20(4)〕
旭化成せんいは、キュプラ「ベンベルグ」の新素材「ベンベルグFF」を開発、06~07年秋冬からアウター、インナー用として販売に入る。ベンベルグFFは、単糸の太さを従来の半分の0.93dtexにした糸。1dを切る細さの糸はベンベルグでは初となる。フィラメント数が増え単糸の表面積が1.5倍となるため、ベンベルグの持つ吸放湿性が従来品や他素材より高い。着用してから短時間で機能を感じられる点を訴求する。柔らかさやしっとりとした手触り、膨らみも特徴。
加工ウールに撥水・撥油加工繊研,〔05・9・20(4)〕
毛染色整理のソトーはアメリカの加工溶剤メーカー、ナノテックとライセンス契約を結んだ。ナノテックス加工は撥水・撥油などの機能加工である。ソトーでは、ウールを中心にメーカーの委託加工に応じ、小ロット、短納期に対応し、コストダウンした単価をめざす。テキスタイルメーカーは売り先やブランド、混率、加工数量、適用アイテムなどの情報をソトー経由でナノテックスに照会。このデータをもとにナノッテックスは加工指示をソトーに出し、専用ラベルも無償で配布する。
アパレル縫製工場における技術伝承支援のための「知的縫製システム」繊消誌,46(10),〔05・10〕p17~23
ベテランオペレータの技術をミシンに埋め込む技術を、岐阜県の研究グループが開発した。開発は4段階に分かれる。第1段階はデジタルマザーミシンと称する縫製条件を自動計測するミシンの開発である。ベテランの押え圧力や糸張力が測定され、ミシンがその通りに制御される。第2段階はハンディタイプ測定装置による同様の項目の測定である。第3段階は、この測定結果を普通のミシンに設定する。これらの縫製結果は、目視ではベテランの結果と差が見られなかった。第4段階は縫製条件を自動設定できるミシンを完成し、これを「知的縫製ロボット」と名づけた。
流通携帯の先に親指姫市場、eショップ・通信販売調査日経MJ,〔05・10・19(1)〕
日経MJの05年版「eショップ・通信販売調査」で、04年度の通信販売の総合売上高(前年度と比較可能な231社)は5.1%増の1兆6896億円だった。約2割を占めるインターネット通販が46.6%と伸びた。今後の通信料金定額制など追い風に携帯ネット通販は本格的に普及するとみられ、流通業の重要な販売チャネルになりそうだ。
クリーニング事故品鑑定の中に見る海外繊維製品(1)技術情報,35(6),〔05.9〕p1~5
全ク連の受けた鑑定依頼品は、海外製品の比率が年々増加し、平成16年度にはついに日本製とほぼ同数になった。今回はその統計的な側面を紹介。次回から品質的な内容に入る。自己品の平成16年度の国別受付では中国116、イタリア54、イギリス8、フランス7、韓国7で、それ以下の件数が12カ国に及ぶ。国別の1kg当たりの概算価格は、イタリア、フランスが2.5万円、イギリス、ドイツが1.5万円、スペイン1万円、アメリカ、香港が600円であり、それ以外は200円前後であった。
消費中国における日本ブランドイメージ日繊〔05・9・30(2)〕
日本繊維新聞社の日本ブランドの中国消費者調査では、日本ブランドの優れる点がデザイン、品質であった。不満な点は、価格の次にブランド力があがっており、わが国アパレルブランド認知・浸透に向けた取り組みが望まれている。
行事最新の繊維技術レビュー講演会
■東京:①06年1月31日②昭和女子大学
■大阪:①06年2月6日②大阪市立工業研究所
③光触媒を利用した繊維加工「クリーンテクター」、「吸汗パッドシャツ」評価試験、ナノテク汗消臭機能加工「パーマフレッシィ」、ポリ乳酸繊維「テラマック」の開発への取り組み、他
④繊維学会 電話03-3441-5627