行政ものづくりの現場で職場環境を改善、女性も働きやすく日経,〔23・8・24(13)〕
ものづくりの現場で職場環境を改善する動きが広がってきた。厚生労働省によると、3 K(きつい、汚い、危険)など労働環境の厳しい製造現場の新規求職件数は10年間で半減している。猛暑が続く中、夏場の工場の労働環境は厳しさを増しており、女性やシニアも働きやすい環境整備が求められている。
素材裁断片からアップサイクルした「服の鉛筆」繊研〔23・8・3(4)〕
縫製工場のミヤモリは、衣類の製造過程で発生する裁断くずを炭化させたものをアップサイクルした「服の鉛筆」を製造・販売している。炭化装置開発企業、鉛筆メーカーと協業して開発した。鉛筆芯の原料のうち20%に廃棄予定だった衣類由来の繊維炭が含まれており、主にポリエステル、コットン製の衣類から作られ、硬度は4B程度。濃い黒色とテカリの無いマット感が特徴だ。23年度の「日本文具大賞」では繊維業界から唯一のノミネート、新設されたサステナブル賞で優秀賞を受賞した。同社は、小学生用体操服の販売もしており、不要となった体操服を鉛筆の材料として回収し衣類廃棄の削減にも貢献する。
加工水を使わない抗菌剤繊研,〔23・7・11(4)〕
プロテックは、水を使わない粉体の抗菌剤「ナノファイン・パウダーZ」を開発した。平均粒子径を100ナノメートル以下に安定させた酸化亜鉛の分散剤を、微細な粒子径を維持した状態で粉体化した。従来の水溶性のナノファインでは対応できなかったポリウレタン樹脂などへの添加が容易で、高い抗菌活性や抗ウイルス活性を生み出す。使用用途は、合成皮革や人工皮革、ポリウレタンシート、各種樹脂コーティングなど。
アパレル広がるフェーズフリー繊研,〔23・7・5(1)〕
日常、非常時というフェーズ(段階、局面)を超えて使えるフェーズフリー製品が注目されている。防災意識の高まりもあり、ファッション性があって、災害時にも役立つようなアパレル、服飾雑貨の開発が進み始めた。レイングッズやアウトドア用品メーカーだけでなく、一般向けアパレル企業の参入もある。新たな市場を広げるだけでなく、CSR(企業の社会的責任)の一環としての取り組みになっている。
流通販売員に縫製技術 店頭サービスを強 化、新スキルで人材定着を促す化繊研,〔23・7・12(1)〕
自社の販売員に縫製技術を習得させる動きが広がっている。店頭で簡単な修理や裾直しに対応できるようにし、顧客の満足度を高める狙い。販売員の多能工化により、リアル店の価値が高まると同時に、接客以外のスキル向上を会社が支援することで、人材の定着を促す効果も期待できる。
クリーニング決済から衣替え習慣まで実態調査クリーニング流通,〔23・8・10(6)〕
クリーンフェスタ兵庫の最終日に『学生世代とその親世代が「服を取得し、手放す」際の意識・実態調査とクリーニング業界ができること』と題し、武庫川女子大とのコラボイベントを実施。事前アンケート(120名)の結果を発表した。親世代は62%が「購入の際、洗濯可能か確認する」のに対し、若者世代は35%となり、購入時に表示を気にしない傾向が見られた。「春に冬物を出す」は、親世代75%、若者世代63%となり、若者世代に衣替えの習慣が低くなっていることが伺えた。
消費SDGsに関する調査、支持・関心は年々低下傾向繊研,〔23・7・14(3)〕
クロス・マーケティングによる「SDGsに関する調査」(全国の18~69歳の男女2,500人を対象、インターネットで6 月実施)は、SDGs関連商品・サービスの購入・利用意向、購入・利用しない理由、購入・利用後に残る気持ち、SDGs活動への考え方などについて尋ねている。SDGs関連商品の購入や利用意向は、「購入・利用したい」(8.2%)と「どちらかといえば購入・利用したい」(55.3%)を合わせて63.5%あり、昨年6 月の調査より2.7ポイント減少した。
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品質管理PFAS使用製品禁止へ繊研,〔23・8・2(1)〕
PFAS(有機フッ素化合物の総称)はテキスタイルや食品パッケージ、調理器具、化粧品等、乳幼児向けを含む幅広い製品で使用されてきたが、世界的に規制が進んでいる。米国の一部の州では規制が始まり、撥水加工した生地やそれを使ったアパレル製品を輸出する日本のメーカーも確認が必要だ。
その他全国服飾系専門学校、半数で今春入学者が減少繊研,〔23・8・30(1)〕
繊研新聞社が全国の服飾系専門学校に行ったアンケート調査(有効回答36校)によると、23年4 月の入学者数が前年より「減った」学校は53%で、前年比で25ポイント上昇して過半数に達した。「増えた」学校は、22%で11ポイント減、「変わらない」との回答は25%で14ポイント減少。コロナ禍の影響もあり、都心の大規模校を中心に苦戦した学校が目立つ。