行政
繊維製品100%リサイクルの実験開始繊研,〔09・7・23(2)〕

経済産業省と中小企業基盤整備機構が支援する「繊維製品リサイクル・モデル事業」に、ワールドと良品企画が参画、不要になった自社衣料品を8月から店頭で回収する。衣料品の100%リサイクル化を目指した実験的なプロジェクト事業は業界で初めて。

素材
世界の超長綿、今季生産量は41%減繊研,〔09・7・13(2)〕

国際綿花諮問委員会(ICAC)によると今季(08/09年度)の世界の超長繊維綿の生産量は431,000tで、前季比41.4%減となる。来季(09/10年度)も389,000tで9.7%減と引き続き減少、20世紀中期以降で最低水準が見込まれる。主要国の今季の生産は、インドが21.6%増となったほかは5割近い減産。エジプト46.8%減、米国49.2%減、中国47.7%減となる見込み。需要の急減による相場の下落、他の穀物との競合激化が要因。

素材
ストレッチミシン糸を共同開発日繊,〔09・8・6(2)〕

オペロンテックス(OPT)はPTT繊維「T-400ファイバー」を導入しフジックスとの共同で可縫性に優れた工業用ストレッチミシン糸「RSS50」を開発した。共同で特許を出願中。両社はストレッチ素材の多様化に伴い縫い糸にも様々な物性が求められていること、服種によっては千鳥縫いやフラットシーマといった縫製手法に頼らざるを得ない現状を解消するため、優れた伸縮性と可縫性とを両立させた「RSS50」を商品化した。国内市場ではナイロン66によるストレッチミシン糸が広く普及しており、伸度32%のナイロン66に対して「RSS50」には48%の伸度を持たせた。

加工
綿の新加工法を開発繊研,〔09・9・7(2)〕

KBツヅキは綿織物、タオルなどの精練工程で酸と酵素により、綿に固着している不純物や汚れを除去する新加工法「TZ酸性酵素法」を開発した。この加工法で処理した綿糸の吸水性は「最大4倍になる」としており、同社では10月からグループの染色加工会社であるツヅキボウ今治、大和川染工で加工を始める。綿の精練は通常、カセイソーダが使われているが、同社は「遺伝子操作をしていない天然のカビ菌由来の酵素」を使用した新加工法を開発した。新加工法によりエコマークを取得した。新加工法は従来法に比べ、低い温度で短時間処理も可能にした。

アパレル
古着リメーク 秋冬ひっぱりだこ!繊研,〔09・7・23(1)〕

今秋冬は古着リメークが引っ張りだこになりそうだ。新しいトレンドが見えない中で、注目のキーワードとして浮上してきた。古着の値頃感とリメークのさりげない個性、さらにファストファッションにはない「味と温もり」が魅力。セレクトショップからボリュームゾーンまで期待が高まっている。

アパレル
デザイナーブランド 来春夏、相次ぎ値頃ライン繊研,〔09・8・14(1)〕

パリ・コレクションに参加するデザイナーブランドが10年春夏、価格を意識したラインを強化している。コレクションライン以外に新たなラインを設けて、買いやすい価格設定で売り上げを確保しようというもの。不況とファストファッションの台頭を背景に、既存のパターン活用や生産地の変更といった手法で、お値打ちラインを仕掛けている。ブランドイメージを守りながらどこまで買いやすいラインを市場に広げられるかが課題となる。

流通
スーパー各社、進む低価格化に危機感日経MJ,〔09・7・15(5)〕

スーパーマーケット協会09年度総会で、「日本流通業の現状整理と今後の10年間の展望」と題したディスカッションが実施された。参加したトップは、低価格は進みすぎると経済を縮小させると危機感を示された。

流通
商社、相次ぎODM参入繊研,〔09・7・31(1)〕

ODM提案を強化する商社が増えている。客先の企画ありきで、適時適品供給の仕組みを提案するOEMでは、ビジネスの維持が難しいためだ。あらかじめ素材や産地、工場を選定し、自前のデザインチームを使って即戦力で売れる顔のサンプルを提案することで、1日も早く、1円でも安くというニーズに応えようとしている。

用語解説
ODM(Original Design Manufacturer) OEM(相手先ブランドによる生産、Original Equipment Manufacturer)は、アパレルや小売業が企画したファッション製品を商社など生産背景や素材調達を持つ企業が製品化する仕組み。これに対し、ODM(相手先ブランドによる生産)は、商品のデザインや使う素材、生産背景までをピンポイントで決め、アパレルや小売業に店頭でこのまま売りませんかと提案する取引である。

流通
通販売上高4兆円突破日経MJ,〔09・8・21(4)〕

日本通信販売協会が推計した08年度国内通信倍売上高は前年度比6.7%増の4兆1400億円となり、過去最高を更新。景気が低迷する中、利便性の高い携帯電話を利用したインターネット通販などが、苦戦する百貨店やスーパーの需要を取り込んだ。

クレーム
メーカーに厳しい視線近代縫製,〔09・8・5(1)〕

全日本婦人子供服工業組合連合会が作成している「クレーム等受付処理報告書」による平成20年5月~平成21年4月の1年間の調査。クレーム内容で最も多いのが縫製不良で、そのうち65%がほつれであった。次に多いのが付属不良で、ボタンの破損、ファスナーの破損、ゴム切れなどで約90%を占めている。色のトラブルで多いのは色落ちであった。クレーム対象品のほとんどが中国を始めとする海外生産品で、一時は日本の指導と厳しい検査体制で品質が向上していたものが、コストダウンのため現地検査だけで済ませるなど、管理が緩んだため不良品が出まわるケースが増えている模様。

その他
インド繊維相、対日輸出拡大を強調繊研,〔09・7・23(2)〕

インドのアパレル輸出が90%弱を欧米が占めており、新たな市場の開拓が急務となっている。JFW-IFFで来日していたダヤニディ・マラン繊維相が、日本のアパレル輸入をインドのシュアを現在の1%以内から12年に10~15%に高めたいとしている。