行政
経産省、中国における知的財産侵害調査繊研,〔07・7・13(7)〕

経済産業省の06年実施の「中国における知的財産侵害調査」で、(1)知的財産権侵害を受けている企業の85%が中国における何らかの救済措置を利用している(2)その救済措置で最も利用しているのは行政手続で前年に比べ14%増(3)企業が行政機関に摘発要請した事業では88%が摘発された。

規格関連
JIS規格 安心利用が目的 全製品が表示対象に朝日,〔07・8・19(S4)〕

JIS規格は工業標準化法に基づき、国民がいろいろな製品や施設を安心して利用できるように品質や性能などを定めた国の規格で、1949年に導入された。経済産業省によると対象は家電製品や文房具など身近な品から化学製品や産業機械まで19部門9728件(06年3月現在)。検査の手順や用語の使い方なども含まれる。工業標準化法改正に伴い、05年10月から新しいJISマークが導入された。すべての製品でマーク表示が可能になるなど対象が広がり、製造業だけでなく輸出入業者なども認証申請できるようにした。製品の安全性や品質が問題になることが多い中国などの取引を念頭に「信頼のパスポート」としての役割が期待される。

素材
竹繊維山本直文,繊消誌,48(7),〔07・7〕p455~459

爆砕竹繊維について、生産技術と繊維性能を紹介した。爆砕とは、青竹が乾燥しないうちに圧力釜に入れ、上記を注入する。適正な温度・蒸気圧を保ちながら蒸らし、その後、急激に圧力を開放する。このとき、竹の水分が内部から外部へと移動し、その力により竹が繊維状になる。爆砕された竹は、ブレイキングを繰り返してほぐされ、次に開繊機「バンオープナー」に掛けて繊維を細くする。爆砕竹の特徴は(1)繊維長が縦方向に長く、(2)繊維中に微細な管状の穴が無数にあいていることである。この穴は、優れた脱臭・抗菌特性を与える。ふとん、ジーンズが試作されている。

加工
こめ油柔軟加工繊維開発日繊,〔07・7・26(4)〕

シキボウは、日本人の主食である米に含まれるこめ油を配合した柔軟加工繊維「コメーユ」を開発した。07年春夏商品から販売している。米の胚芽に含まれている「米胚芽油」の有効性に着目し、米胚芽油を主原料としたこめ油柔軟材を開発し、天然系バインダーとの組み合わせにより洗濯耐久性を持たせて繊維に固着させることに成功した。肌に優しいこめ油成分で柔軟性を付与し、洗濯を繰り返してもソフトな風合いを持続。天然系バインダーで固着されており、洗濯10回後でも初期の付着量の70%以上のこめ油成分が残存している。用途は肌着、パジャマ、布団カバー、タオルケット、シーツ、ブラウス、シャツ、パンツ、ハンカチ、タオルなど幅広く展開する。

アパレル
アラサー市場迷走繊研,〔07・7・19(1)〕

アラウンドサーティー市場が迷走している。市場を築こうと勇んで作った新ブランドにも売り場にも思い描いた活気は生まれず、撤退やMD修整が目立ってきた。30歳前後の女性たちは、着る服がないと言うわりに提示してもすぐに飛びつかないし、思ったほどお金も出さない。期待したのに「フタをあけてみたらパワーがなかった」というのが今の時点での結論のようだ。この世代の消費ニーズがさまざまなジャンルに分散していることも市場つくりを難しくしている。

流通
銀座エリアが好調、百貨店のレディスインティメート&ナイティー日繊,〔07・7・26(1)〕

全国百貨店の06年度のレディスインティメート&ナイティー売上高は総じて厳しい環境にあったものの、東京・銀座エリアの百貨店では目だった伸びを示した。三越銀座店は4.0%増。松や銀座本店は6.5%増と、他エリアを押さえ好調な動きを見せた。日本百貨店協会がこのほど発表した6月の全国売上高は全年同月比5.5%増と4ヶ月ぶりの増加、東京地区に鋳たっては7.4%増を達成。上半期でも新店を除く既存店ベースで0.6%増と10年ぶりに前年実績を上回り、好転の兆しも見え始めた。

消費
ネット利用が5割近く繊研,〔07・7・10(3)〕

日本通信販売協会の06年利用実態調査によると、インターネットでの申込が年々増えて46%に達し、特に40代以下の男性で7割、30台女性でも6割になった。固定電話では46%、郵便36%で利用率が下がっている。購入商品では婦人衣料は32%、下着19%が上位だが、衣料品関係の通信販売は低下している。

クレーム
急増する着用損傷近代縫製,〔07・8・5(1)〕

クリーニング綜合研究所によれば、本年度、損傷事故鑑定依頼が立て続けに起こり、昨年度までの事故事例よりも、着用が原因とみなされるものの比率が高まっている状況という。損傷事故の内訳は穴あき、破損、損傷、滑脱、ピリングの5種類。平成16年4月~平成19年6月までの集計では紳士服が婦人服を約6割超えた。最も多い紳士スラックスでは内股部の損傷、次に多いワイシャツではカラー・カフス部の擦り切れ、衿の剣先周囲の見頃生地が薄地化するような現象が目立っている。事故原因はクリーニングではなく、生地自体の耐摩耗性と着用頻度などが相互に関係して発生するものと推察。原産国別では約半数が日本製であった。