行政家庭から廃棄50.6万トン繊研,〔25・6・6(3)〕
環境省は24年版「衣類のマテリアルフロー」を発表した。家庭からの使用済み衣類の大半が可燃・不燃ごみとして出されていることが明らかになった。家庭から手放され最終的に未利用として国内で廃棄される量は50.6万トンと推計された。
素材フランスにポリエステル・綿複合品の ケミカルリサイクル工場を建設繊研,〔25・5・28(4)
米スタートアップ企業のサーク(バージニア州)は、ポリエステル綿複合の繊維製品を、ポリエステルとセルロースに分離して繊維to繊維で再生する新工場を仏サン・タヴォル地域に建設する。投資総額は約4 億5000万ユーロを計画。年間最大7 万トンの繊維製品を処理する。ポリエステル・綿の複合素材を加水分解で解重合し、ポリエステル側は高純度テレフタル酸とエチレングリコールを再重合してポリエステル繊維にする。コットン側はリヨセルなどのセルロース繊維に再生することが可能。
加工抗ウイルスコーティングを開発繊維ニュース,〔25・6・6(2)〕
就実大学薬学部の山田陽一准教授と産業技術総合研究所(産総研)は共同で、繊維など幅広い基材に抗ウイルス成分をコーティングできる技術を開発した。紫外線照射によって薬剤成分を強固に固定する技術で、風合いや見た目など基材の材料特性を損なうことなく、短時間でコーティングが可能。効果も長時間持続する。ウイルスだけでなく、幅広い細菌にも効果が認められた。今回開発した技術は紫外線照射によって薬剤を固定するもの。
アパレル東京に進出する中国企業繊研,〔25・5・23(1)〕
生産拠点の海外シフトで、国産比率が2 %に満たない日本のアパレル。一方で中国の縫製業もASEAN(東南アジア諸国連合)への生産地移転で最盛期の勢いはない。そうした中、中国の縫製企業が日本法人ラッキージャパンを設立し、東京都江戸川区に縫製工場を立ち上げた。「コロナ下に日本の縫製工場の廃業や人手不足で生産能力が低下したため、国産を求めるブランド側との需給ギャップが拡大した」(同社社長)。
アパレル冬にサンダル、ブーツも季節問わず繊研,〔25・6・30(1)〕
国内の婦人靴専門店や婦人靴卸の25年秋冬の商品構成やMDが変化している。長引く夏、暖冬の傾向が年々強まり、消費者の買い方が一様でなくなったことが背景にある。若い世代を中心に冬のサンダル履きが定着、エンジニアブーツやショートブーツの着用も季節問わずに見られ、付加価値ある商品をいかに打ち出すかが問われている。
流通変わるベトナムに挑む商社 新しい成長エンジン繊研,〔25・6・24~27(4)〕
商社は、アパレル製品の安定供給に向けてサプライチェーンを常に見直している。ASEANシフトを進め、付加価値製品についてはベトナム生産が定着しつつある。ただ、急速な経済成長を背景に人件費の上昇が続いている。今年5 月には、ベトナム共産党中央委員会は「第68号決議」を公布し、ベトナム民間経済の発展を国家戦略の優先事項と位置付けることを明確にし、大きな変革を遂げようとしている。
消費衣料消費はボトムス健闘、アウターは苦戦日経,〔25・5・27(29)
衣替えの季節。物価高などで衣料消費の落ち込みは激しいが、品目別では温度差がある。ジャケットやコートなどアウターが大幅に減っているのに比べ、ズボンやスラックスなどのボトムスはあまり減っていない。価格に見合った価値を見極める消費者の意識が「頭寒足熱」の背景にあるよう。
消費衣料購入 着心地・肌ざわり重視繊研,〔25・6・30(3)〕
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングは、18~79歳の男女3000人を対象にファッションに関する実態・意識調査を実施した。おしゃれに関心がある人は全体の46%で、衣類購入時に重視するポイントは、「着心地・肌ざわり」「動きやすさ」「デザイン」が多かった。
その他「洋服の墓場」チリの砂漠に朝日,〔25・5・26(7)〕
南米のチリのアタカマ砂漠に各国のアパレルブランドの服が捨てられ「洋服の墓場」と呼ばれる場所がある。22年時点で砂漠に捨てられた服は推定4 万トン。世界からいらなくなった服が送られてくるという。世界有数の古着輸入国チリには年間4 ~ 6 万トンの古着が輸入されるが価値のない服が不法投棄され、砂漠で服を燃やす人も多いという。3 月のごみゼロ国際デーで国連グテーレス事務総長は「地球はファッションの犠牲者だ」と訴えた。