行政衣料リサイクルへ新規格 経産省、再生利用5万トンに日経,〔24・6・14(5)〕
経済産業省は衣料の再利用を進めるための仕組みをつくる。リサイクル繊維の国内規格を定めるほか、外国人就労者の労働環境を改善する。「ファストファッション」に代表される衣料品産業を大量生産・消費から脱却させ、環境・人権面の改善を急ぐ。最近になって繊維産業には厳しい視線が注がれている。数回着て捨てるようなファストファッションは大量生産の結果、多くの廃棄物が出る。アフリカやアジアの途上国で低賃金での労働を強いる事例の報告も増えている
規格革・レザーの用語規定見直し繊研,〔24・5・27(1)〕
JIS「革・レザー」の用語規定の見直しを受け、日本皮革産業連合会は5月24日に説明会を開いた。JISは革・レザーを「皮本来の繊維構造をほぼ保ち、腐敗しないようになめした動物の皮」に限定、「人工的な材料の名称として使用してはならない」と定義した。ここ数年、ヴィーガンレザーなど非動物性の原料を使った素材でレザーの用語が乱用され、消費者の誤解と混乱を招いていたことから、国際的な用語に統一して理解を深め、正しい認識での消費を促す。ISO(国際標準化機構)は19年に「Leather」の用語を規定した。
素材日本の生地が世界で評価されるわけ繊研,〔24・5・28(6)〕
繊研教室の記事。世界のファッション企業やブランドが日本の素材を高く評価している理由を筆者のリサーチにより、三つのポイントにまとめたもの。①日本「企業」への高い信頼感②「糸」開発の力③「ローテク」の極み。取材に基づく分析だけに具体性があり、説得力がある。
加工ジーンズ加工 サステイナブルな技術に力繊研,〔24・5・8(4)〕
大手ジーンズ加工場のサーブは、水の使用量を減らした加工やリサイクル染料など、サステイナブルな提案を増やす。また、ファッション性も重視し、ビンテージ加工を強化する。ストーンウォッシュに代わり、軽石ではなく粉状の特殊な研磨剤を使う洗い加工を打ち出す。水の使用量を減らせるほか、汚泥の発生も防ぐ。伊のオフィシーナ+39の繊維製品の廃棄物をリサイクルした顔料「リサイクロム」を使った染色も提案する。洗いをかけると自然な風合いで退色し、レーザー加工も可能なため、カラージーンズやスウェットウェアなど、古着風の加工が合うアイテムに最適。
アパレル衣類国内供給量23年、コロナ禍の20年を下回る繊研,〔24・6・26(2)〕
日本繊維輸入組合の「日本のアパレル市場と輸入品概況2024」による衣類国内供給量(点ベース)は輸入量減で前年比4.7%減少した。コロナ禍で需要が減退した20年を下回る規模となった。輸入量は6割占める中国からの輸入が7.6%減と大幅減少し、4.7%減少した。輸入浸透率は、00年以降最も高い前年並みの98.5%だった。
流通似合うが分かるサービス続々日経,〔24・5・20(1)〕
〝似合う〟をキーワードにしたサービスが増えている。特に、ECやアプリなどオンライン上のソリューションを導入する企業が多い。AI(人工知能)など新たな技術を取り入れ、好みのテイストや自身の骨格をセルフ判定でき、消費者に安心を提供。ちょっとしたエンターテインメント感覚もある。消費体験の向上を通じ、購買率やリピート率アップにつなげる狙いだ。
消費スーツ調査 着用できるスーツの保有数「1着」「2着」が45%繊研,〔24・5・24(5)〕
マーケティングリサーチのクロス・マーケティングが今春に実施した調査によると、着用できるスーツの保有数は1着または2着の人が45%となった。10年間、スーツを購入していない人は、一度も購入したことがない、を含めて4割以上を占めた。調査は、インターネットによるアンケート、3月29日~30日に実施。20~69歳の男女1100人が回答。
健康気候変動に調温拡充繊研,〔24・5・31(4)〕
蝶理は、近年の気候変動に対応するため、調温機能を発揮する製品を拡充し販路拡大を狙う。カットソートップに用いた繊維は、繊維を包む特殊ポリマーが温度に応じて水分への親和性を変え、湿度の保持・蒸発をコントロールする繊維である。「着用者の皮膚からの自然な蒸散機能を40%程度向上できる」として、快適性を訴求する。アウターウェアに用いた相変化物質を活用した調温中わたは、28~32℃の範囲で温度を調節する能力に優れた繊維であり、高温時には熱を吸収して成分が液化し、低温時には熱を放出して固体化する特性を利用している。
その他デジタル戦略でビジネス成長 繊研,〔24・6・4(1)〕
台湾のアパレルメーカー、マカロット・インダストリアルはビジネス全体を通じたデジタル戦略でコロナ禍でも業績を伸ばしている。AI(人工知能)によるトレンド予想を元にした企画、顧客とのデジタルプラットフォーム上での対話、3Dスケッチ・3Dモデリング技術を駆使したサンプル生産を行う。納品後もレビューや販売データの分析も行う。今後は導電性素材をはじめとする先端材料の開発を本格化し、睡眠の質向上を目指すパジャマやEMS(筋電気刺激)を活用したトレーニングウェアなどを製品化している。