行政
繊維・ファッションへ経産省が相次ぎ政策立案繊研,〔22・5 ・27(1)〕

経済産業省が繊維・ファッション産業に関する有識者会議を相次いで立ち上げ、新たな政策を打ち出した。15年ぶりに「繊維ビジョン」を策定、行政の役割が高まっていることなどが背景。サステナビリティの促進、国内産地の活性化、NFT(非代替性トークン)の活用などの新市場開拓、海外需要拡大の支援などが重点。成果を上げるためには政策の周知徹底と行政、産業界の連携が不可欠。

素材
世界初 抗ウイルス粒子開発繊維ニュース,〔22・5・27(3)

東レは、従来比100倍の即効性を持つ新たな抗ウイルス粒子を開発した。繊維や樹脂、フィルム、塗料など多岐にわたる素材に抗ウイルス機能を付与でき、世界初の新素材になるという。今後、試験品提供を通して検証を進め、2 ~ 3 年内の製品化を目指す。機能性粒子の設計・合成技術と表面制御技術を活用し、酸化セリウム粒子を特定の分子で被膜した。これにより、ウイルスを粒子表面に引き寄せて吸着し、酸化分解することで不活性化する。

規格関連
JIS衣料サイズ、成人男女で小・大と共通サイズを追加 繊研,〔22・6 ・14(1)

〕JIS衣料サイズ改訂が22年度末に公表される。経済産業省委託事業「衣料サイズに関するJIS開発」の審議結果が取りまとめられ、経済産業省のチェック、パブリックコメント、日本産業標準調査会の専門委員会を経て、23年3 月公示される予定。14~16年に実施した日本人の体格調査を基に、業界・消費者ニーズを踏まえ、17年に見直されたISOとの整合も図るJISサイズ改訂がようやく決着する。改訂案は、JIS・L4004で小さいサイズにSS、大きいサイズに4 L・5 Lを加え、L4005では範囲表示にSS、4 L・5 L・6 Lを加える。

アパレル
自社ブランド開発で自立経営へ-国内紳士服工場繊研,〔22・5 ・25(1)

国内の紳士服工場で自社ブランドを開発する動きが強まっている。コロナ下でスーツ離れに拍車がかかるなか、オーダースーツやジャケットを中心に、これまで工場が培ってきたテーラードの技術を生かして新たな需要の掘り起こしに挑む。自社ブランドの生産比率を高めることで、依存度が高いOEMの受注に左右されず、安定した年間稼働による縫製工場の自立化を目指す。

アパレル
日本ブランドの海外進出を支援 戦略立案や現地販売も繊研,〔22・6 ・10(2)

日本の逸品を世界に―旅行業大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、日本ブランドの海外進出支援に乗り出している。レストランや食品などの飲食分野をサポートしてきたが、オーガニックタオルブランド「ヒポポタマス」を販売するHPSと業務提携し、ハワイや台湾での販売を始める。旅行業の競争が激化するなか、HISの海外60か国・地域113都市162拠点(4月末現在)のネットワークを違う形で生かせないかと考え、コロナ禍前から動き出した。今後もホテルや百貨店とのネットワークの強さを生かし、提携ブランドを増やす考え。

流通
衣料品もコンビニで広がる 日経MJ,〔22・6 ・8 (7)

コンビニで衣料品を購入する動きが広がっている。ファミリーマートのPBソックスは5 月までの累計販売数が550万足に達し、ローソンも実証実験で好評だった無印良品の商品を順次全国展開させる計画。まとめ買い需要の高まりでスーパーやドラッグストアとの競争は激化しており、来店の目的となる衣料品の存在感が高まっている。

流通
アパレルがビジカジ靴読売,〔22・6 ・23(6)〕

アパレル大手が仕事用にもカジュアルにも使える「ビジカジ」の靴を相次ぎ商品化している。テレワークの広がりでカジュアルなスタイルが定着する中、対応した靴にも商機があるとみているからだ。本業の衣料品で培った技術を生かし、デザインや機能性を競っている。

消費
輸入増え生産は減少-21年の衣類国内供給量 繊研,〔22・6 ・10(1)

21年の衣類国内供給量は前年比1.9%増だった。コロナ禍の影響で需要が落ち込んだ20年は10%減少したが、そこから若干回復した。輸入が増え、国内生産は前年よりも減少したため、輸入品の割合(輸入浸透率)が前年よりやや高まり98.2%となった。衣類供給量の回復が鈍いのは、コロナ禍だけが理由ではなく、供給過剰問題と、SDGsの実現に向けた機運の高まりより、企画点数と発注量を絞るアパレルメーカー・小売業が増加したことも理由の一つと言えそうだ。

その他
心はグラデーション繊研新聞〔22・5 ・17(3)

最新の脳科学では、人の心の性は、男性と女性にわけられるものではなく、色彩のグラデーションの様に連続性があることが分かってきた。性のあり方を決める要素として「心の性」「身体の性」「好きになる性」「表現する性」がある。LGBTQの全人口に占める割合は8.9%(電通20年調査)で11人に1 人の割合。左利きやAB型の人と同比率である。「着たい服を、着る」ことに寛容な社会になることでファッションはより豊かなものになる。