行政
経産省、繊維製品の放射能汚染なし日経MJ,〔11・6・6(7)〕

震災による福島第1原子力発電所事故を受け、経済産業省は4~5月に福島県と国内外から集めたサンプルの放射線量を比較した結果、ほぼ同水準だった。福島県産の繊維製品で拡大が懸念されている風評被害の抑制につなげる。

行政
繊維製品の取扱い絵表示改正作業開始、JISとISO整合化繊研,〔11・6・30(1)〕

繊維製品の取扱い絵表示の改正作業が始まった。経済産業省の委託を受けた繊維評価技術協議会が6月28日、第1回「繊維製品の取扱いに関する表示記号及び洗濯試験方法に関するJIS開発委員会を開いた。今回の改正は日本の取扱い絵表示に対応するISOが11年度中に改正されるのを受けて行われる。3年間かけて絵表示の修正案と試験方法を検討し、その結果を踏まえ経済産業省が14年度以降に工業標準調査会の審議を経てJISを改正する。JIS改正と同時に消費者庁も家庭用品品質表示法を改正する。委員会の基本方針 ♦基準認証制度に関わる市場開放要請と規制緩和推進の動きを踏まえJIS L0217とISO 3758、同6330との整合化を図る。♦JISとISOの整合化に際し、洗濯絵表示を決定する。試験方法などについては、日本の洗濯実態などを考慮し、適用可能な内容とする。♦現行の表示は、消費者、繊維・クリーニングなどの関係業界などが慣れ親しんできたものであり、連携・情報共有を図りながら、改正を円滑に進める。

素材
綿花栽培で塩害農地再生繊維ニュース,〔11・5・12(6)〕

山本化学工業は放射線防護服、超軽量バイオラバーRSM「放射線遮蔽ウエア」を開発した。福島第一原発事故の長期化に対応し、現在、現場で作業員が着用しているものに比べて被ばくを大幅に軽減できるという。独立気泡構造合成ゴムに放射線を遮蔽する重金属を均一に分散させる特許技術を使い、このため直線光である放射線をハニカム構造で乱反射させ放射線を減衰させる。縫製面では接合する素材同士を一体化する方法を採用。

素材
綿花栽培で塩害農地再生 -繊維業界全体に呼びかけ-繊研,〔11・05・24(1)〕

東北地方を中心に約24,000ヘクタールもの農地が津波被害を受けた。塩分に強い綿花栽培により、土壌の塩分を取り除き、農地を再生させるプロジェクトが立ち上がる。タビオの越智直正会長が農家と紡績、アパレル、小売などを巻き込んだ仕組み作りに着手し、大正紡績の近藤健一取締役営業部長の協力を得て実現する。綿花を栽培する農家に綿花の種を寄贈し、出来上がった綿花を大正紡績で買取り糸にし、アパレル、小売などが製品を作り、販売する予定である。繊維業界全体への協力の呼びかけ、綿花栽培に協力してもらえる農家の募集をしている。

アパレル
中国・上場アパレル10年度決算 総売上高は30%増繊研,〔11・5・17(1)〕

上場している中国の有力アパレルメーカーの10年度決算は全社が増収となった。09年と比較可能な16社の総売上高は30%近く増加した。09年は世界金融危機の影響で輸出が苦戦し、業績が低迷する企業が多かったが、10年は新興国向けなどの輸出が復調した。

アパレル
繊維ファッション企業 「震災の影響は軽微」繊研,〔11・5・23(1)〕

「短い期間で影響があるかもしれないが、数カ月、半年スパンでみればそんなに問題はないだろう」(ムーンバット)、「昨年後半からのデフレ一辺倒からの脱却ムードは、震災後も根強い」(ユナイテッドアローズ)。この間相次いだ繊維・ファッション企業の3月期の決算発表で、各社トップから東日本大震災が今年度のファッション消費に与える影響は「軽微にとどまる」との見方が多く出た。背景には直後の3月に大きく落ち込んだファッション消費が4月以降大きく盛り返していることがある。

アパレル
機能複合型避難服を開発繊維ニュース,〔11・5・25(4)〕

山本化学工業は災害避難用複合ウエア「バイオラバーセーフ・安全ハイブリッドウエア」を開発し、今月受注を始めた。同ウエアは同社が海外で販売実績を持つ簡易救命胴衣の製造技術を活用、駆使して開発。機能複合型災害避難用ウエアとしては世界初という。同ウエアは寒さや衝撃から身体を保護する機能のほか、水難時に体が浮くように設計。ICチップをウエア本体に内蔵し、緊急時にコードを読み取ることで本人の身元確認や輸血に必要な血液型や身体のアレルギー情報なども得られる。

アパレル
JUKIミシン生産能力15%増日経,〔11・6・19(5)〕

ワイシャツやジ-ンズを大量に縫う工業用ミシンで世界最大手のJUKIは今秋にも、ミシンの生産能力を15%増やして年間75万台にする。ベトナムの組み立て工場に日本から数台の工作機械を移設。現地でミシン本体の切削加工から組み立てまで一貫生産できる。ベトナムやバングラディシュの縫製工場でミシンの需要が高まっているのに対応する。

流通
消費者向け受注会盛ん繊研,〔11・6・22(3)〕

夏物セール真っ盛りのこの時期に、秋冬物の消費者向けショー・受注会が盛んに企画されている。「初めて取り組む」「数年ぶり」といずれも若い顧客にとっては新鮮なイベントだ。アイテムはコート、ニット、ブーツと各社が当たりを探りたい秋冬の戦略商品。盛り上がりに欠けるセールに代わる消費刺激策は、価格より楽しさ。上質感をアピールしやすい秋のトレンドをいち早く紹介することで、夏の中だるみをしのぎつつ、ヒット商品の生産計画に生かし、本格回復への布石を打とうとしている。

消費
放射能の除去 家庭でも効果あり朝日,〔11・6・25(38)〕

放射性物質を心配する人が家庭で出来る対策について、日本放射線安全管理学会が24日発表した。水は浄水器で70%超除去、土は2センチかぶせると線量68%減。セシウム137が高濃度(1グラム当たり68ベクレル)に付着した靴下は、1回の洗濯で75%、3回の洗濯で85%除去できた。洗濯後、洗濯槽内やすすぎ水から放射線は確認されなかった。