行政経産省、繊維製品品質表示規定一部改正繊研,〔09・6・18(2)〕
繊維製品品質表示規定の一部改正案が経済産業省09年度消費経済審議会品質表示部会で了承、10年8月適用予定。改正は(1)特殊な表示方法(列記表示の対象製品)の見直し(2)混用率の許容範囲の見直し(3)混用率に関する特例(除外可能な繊維)の見直し(4)JIS改正に伴うはっ水性表示の変更(5)ポリ乳酸繊維の水分率追加など。
素材デニム向けの素材提案続々繊研,〔09・6・30(1)〕
デニム向けの素材開発が、綿以外で相次いでいる。デニムは市場規模が大きいので、まとまった数量の販売が期待できるのが第一の理由。デニムがアパレル業界で定着し、多様な素材使いが求められていることも背景にある。モヘヤでは、カンデブー協会が20~22μmの細番化を図り、控えめな光沢、ぬめり感などの新しい風合いを作り出している。また、南アフリカのデニム・プロジェクトは、太さ30μm台のモヘヤ10%混デニムを試作。レンチング社は「ボタニック・デニム」として、テンセル20~25%混デニムの販促プロモーションを始めた。ベルギー・リネンを使ったデニム生地の提案もある。
加工インフルエンザに光触媒加工繊研,〔09・6・8(2)〕
二酸化チタンを使った光触媒加工「ガイアクリーン」による滅菌や消臭の機能が、インフルエンザウイルスにも有効なことが分かった。加工剤を販売している衣料付属品卸の廣瀬又一(東京)が、新型インフルエンザと同種のA型インフルエンザウイルスに関し、ウイルス研究で知られている北里環境科学センター(相模原市)に、光触媒マスク素材の抗ウイルス性試験を依頼。ガイアクリーン加工がウイルスの不活性化に効果があるとの調査結果を得た。また、山形大学などがウイルスについて光触媒による不活性化の研究結果をまとめているという。スマイル(東京)と共同で同加工の不織布マスクを販売する。
アパレル洗える紳士服、百貨店がPB投入日経,〔09・5・19(27)〕
髙島屋は、家庭の洗濯機で洗える紳士スーツのプライベートブランド(PB=自主企画)商品を発売した。オンワード樫山との共同企画によるもの。洗える紳士スーツは紳士服専門店が扱っているが、百貨店がPBで投入するのは珍しい。商品は紳士服PB「ラフィネールアッシュ」の一つで「ヴェールライン」。ポリエステル55%、ウール42%、ポリウレタン3%。生地に繊維が細い高級ウールを使いながら、イスラエル企業が開発した特殊加工技術によって耐久性を高めた。洗濯機で洗った後に陰干しするだけで形崩れしないという。価格は洗濯用ネット付きで71,400円。
アパレル縦に伸びるファスナー繊研,〔09・7・3(2)〕
YKKファスニングプロダクツ販売は、縦に伸びるストレッチファスナー「ソフレックス」を本格販売する。コイルファスナーのテープ部分に、ポリウレタンをポリエステルでカバリングした糸を使った。ファスナーが縦に伸びると、エレメント(かみ合わせ部分)にすき間ができて、左右が外れる恐れがあったが、歯がかみ合う部分を大きく、深くすることで、問題を解決。エレメントをテープに縫い付ける糸もストレッチ素材を使った。縦に伸びるファスナーは世界的にも珍しく、日本を含む11カ国で特許を出願中という。これにより、約12%(1㎏荷重時)の伸度を実現している。
流通ファッション系Eコマース、爆発的な拡大の可能性日繊,〔09・6・4(9)〕
新規顧客の開発やアウトレット業態の好調が全体を押し上げ、ファッション系Eコマース上場3社の08年度売上が2桁の増収になった。今期も2桁近い増収を見込んでおり、ファッション分野でEコマースが爆発的に拡大する可能性が高まっている。
流通伸びるリサイクル業態 ニーズ集約ファスト古着繊研,〔09・6・10(1)〕
ブランド名、希少性、おしゃれ度に関係なく、家庭の中古衣料をリサイクル販売する古着店の注目度が高まっている。洋服を持ち込む人、購入する客が急増し、供給と需要のバランスも整ってきた。小売業態として確立されそうな様相だ。これまでの古着屋にあった「おしゃれへのこだわり」はない。「安心感」「タンスの整理ニーズ」「お宝探し感覚」のファスト古着を提供する。新品ショップが忘れかけている商売の原点がある。
流通中国人観光客を取り込め!個人ビザ解禁繊研,〔09・6・19(1)〕
中国人観光客の日本での消費拡大に期待が集まっている。国内需要の伸びが見込めないなか、大型の景気対策を打ち出した中国はいち早く効果を生み出しており、富裕層の消費意欲は旺盛だ。中国から日本を訪れる人の数は増加の一途をたどり、昨年はついに100万人を突破した。7月から解禁される中国人観光客へのビザ発給も、追い風になるとの見方も強い。日本の小売業にとって、増え続ける中国人観光客をどう取り込むかが大きなテーマとなっている。
品質管理機能加工の安全マーク広がる繊研,〔09・6・16(4)〕
繊維評価技術協議会(繊技協)が、機能加工を施した繊維製品の安全性、性能を保障する「製品認証」マークの対象を広げている。マークのスタートは89年の抗菌防臭加工SEKマーク。Sは清潔、Eは衛生、Kは快適をキーワードにしたもので、その後、制菌加工を加えた。新たに抗カビ加工と光触媒消臭加工の認証も始めた。さらに7月には防汚加工マーク準備委員会を立ち上げる。JISの試験方法に基づき、繊技協関係試験機関で組織した関西地区委員会で、加工剤メーカー、染色加工メーカーなどの協力も得て、来年7月には新マークでの認証を開始する予定。
その他ベトナム事業フル稼働 服飾資材メーカー欧米との取引も拡大繊研,〔09・6・9(1)〕
服飾資材企業のベトナム事業が順調に進んでいる。国内、中国とも世界不況で日系アパレルのベトナム生産が増大している。服飾資材の現地調達意欲も高まっており、フル稼働状態という。島田商事はホーチミンで腰裏生産を開始して1年になる。「新規得意先と取り組む武器」として、操業当初から日系アパレルや縫製工場からの問い合わせが相次いでいる。清川は07年3月から工場を稼働。マーベルトやインサイドベルトなどの生産を開始しており、ベトナム縫製を手がける重要な日系の得意先に加え欧米企業との取り組みも始まりつつある。