流通
繊研,〔04.05.11(15)〕

団塊世代がビジネスウェアを手放す時期が近づいてきた。あと4年で大半が「定年」を迎えることになる 。だが、ビジネスウェアのマーケット規模が、そのままカジュアルスタイルの市場に移行するとは限ら ない。団塊の世代はライフスタイルにこだわりを持つが、ファッションはあくまでその一部に過ぎない。 スーツを脱いでネクタイを外したこの世代を満足させる売り場、商品を提供できるのか。流通サイドに は「固定概念」に縛られない新しい取り組みが求められる。

行政
戦略分野で300兆円市場へ繊研,〔04.05.19(5)〕

経済産業省が策定した新産業創造戦略によると、戦略7分野の市場が10年に約300兆円規模に成長するが 少子高齢化で衣料費支出は減少する。衣料費支出は、ファッションへの関心が高くて消費の牽引者でも ある24才以下の若者の人口減により、経済成長効果がなければ減少する。被服と履物の支出額は00年を 100とすると、10年は91.0、25年は79.6になると試算している。産業構造の中長期展望でも繊維製品の 生産額は00年に8兆1,360億円(全業界の0.8%)だったが、10年に6兆8,950億円(全業界の0.6%)、25年には 7兆5,060億円(全業界の0.5%)へ減少する。繊維業界の就業者は00年の80万人(就業者全体の1.2%)から10 年に54万人(0.5%)に減少する。中長期の安定成長をめざす同戦略は、先端産業、ニーズ対応新産業、地 域再生産業を3本柱に政策資源を重点投資する。選出された戦略7分野は燃料電池、情報家電、ロボット、 コンテンツ、健康・福祉機器・サービス、環境・エネルギー機器・サービス、ビジネス支援サービス、 戦略7分野は年率7%で成長し、10年の市場規模予想は01年の国内生産額合計の約3割に相当する。

流通
繊維小売市場が10兆円割れ 経産省の03年の商業販売統計日繊,〔04.6.10(1)〕

経済産業省産業統計局の商業販売統計月報の業種別商業販売額によると、「繊維・被服・身の回り品 売業」の03年の売上高は、1~12月の累計で9兆7,140億円となり、ついに10兆円台割れとなった。前年 は10兆2,930億円で前年比5.6%減。また、同省経済産業政策局の「産業活動分析」によると、同年の繊 維工業総供給は、輸入は増加したものの第三四半期の前年並みを除き、第一、第二、第四四半期で前年 水準を下回った。

消費
時間別消費調査、平日買い物の見直し日経MJ,〔04.06.03(1)〕

日系MJの買い物時間調査で、消費者の4人に1人が平日に日常品以外の買い物をすることが分かった。 「衣料品や耐久消費財などは週末に買う」という小売業界の常識が崩れつつある。深夜営業やインター ネットの普及、ボーナスの使途時期の分散が影響している。

その他
新技術資格制度発足へ繊研,〔04.06.19(1)〕

繊維・ファッション業界で技術関連の新たな資格制度を設ける動きが具体化しはじめた。日本繊維技術 士センター、繊維学会、ファッション産業人材育成機構、日本ファッション協会、日本衣料管理協会の 5団体を中心に協議を進めており、近く推進委員会を設ける予定。実現すると、繊維製品の技術レベルの 向上、競争力の強化に大きな役割を果たすことになる。