行政
政府 外国人技能実習制度の「特定技能1号」に繊維業の追加が決定繊研,〔24・4・1(1)〕

外国人技能実習生の在留資格で、最長5年まで在留できる「特定技能1号」の対象に繊維業が加わる。政府が3月29日に閣議決定、4月から順次、施行される。繊維業界では工場などで労働力不足が深刻化する中、雇用可能期間が長くなる特定技能への追加への要望がかねて強かった。業界にとって、「念願がかなった」と言えるが、人権や他産業に人材を奪われないための対策など課題もある。

素材
環境配慮型繊維・国際標準化が重要に繊維ニュース,〔24・4・22(1)〕

日本化学繊維協会(化繊協会)や日本紡績協会(紡協)、日本羊毛産業協会(羊産協)が取り組む環境配慮素材の標準化事業が進展している。先行する化学繊維分野は日本産業規格(JIS)原案の作成が完了し、政府審議会でJIS発効に向けた審議が始まった。国内での標準化が進展したことで今後は国際標準化機構(ISO)への提案など国際標準化が重要になる。

加工
デジタル捺染の新型機 顔料搭載、前後処理も一貫で繊研,〔24・3・7(4)〕

エプソン販売は4月中旬から、デジタル捺染機「モナリザ」シリーズの新型機「ML-13000」の販売を開始する。顔料プリント専用で、前後処理も組み込んだ一貫プロセスにより、サステナビリティーと効率生産を追求した。顔料インクはCMYKに赤、緑、オレンジを加えた7色で、高い色表現性を確保する。蒸し・洗いといった、染料で必要な工程が不要で、水使用量を約97%削減できる。さらに前処理剤、オーバーコート剤、発色剤の三つの機能性インクを搭載し、これまでプリントと別工程で必要だった前後処理が1プロセスでできる。前処理剤で生地にインクを定着させ、オーバーコート剤と発色剤で堅牢性と発色を高められる。

アパレル
「サステイナブル」が12シーズン連続1位繊研,〔24・4・1 (1)〕

繊研新聞が調査した25年春夏テキスタイルキーワードランキングは「サステイナブル」が春夏・秋冬通販12シーズン連続1位となった。サステイナブルは物作りの基本的な要素の一つになっている。ここ数年は2位以下を大きく引き離す圧倒的な1位だったが、票数はだいぶ小差となり、あえてトレンドワードとして挙げるものではなくなってきたとも見て取れる。「上質・高級感」「ナチュラル」は前春夏から引き続き上位にランクイン。

アパレル
増えるサブカルチャーとの協業繊研,〔24・4・22 (5)〕

近年、ファッション業界ではアニメやゲームなどと協業し、ヒット商品を生みだす企業が増えている。各社が口を揃えて話すのがファションの熱量の高さ。協業が購買力の強い新規客との接点になっている。重要なのはファッション企業の視点を生かしながら、協業先の魅力を引き出す商品企画だ。普段使いできるおしゃれな協業アイテムの需要が高まっている。

流通
衣類カバーを回収・再生 アパレルから30~40社募集、配送網活用日経MJ,〔24・3・29(5)〕

センコーGHDは、アパレル各社から回収したビニール製ハンガーカバーをリサイクルする事業を始めた。アパレル商品の通常配送時にハンガーカバーを回収し、再びカバーとして利用できるように委託業者に加工を依頼する。ハンガーカバーは店に商品が納入される際に使われるもので、納入後は廃棄処分されるケースが多い。費用は1㎏あたり120~150円かかり、アパレル各社が負担している。

消費
アパレル企業にエシカル通信簿繊研,〔24・4・1(3)〕

消費から持続可能な社会をつくり市民ネットワークは第7回「企業のエシカル通信簿」を発表した。今回はアパレル企業10社を対象とし調査。アパレルへの調査は16年以来2回目。過去と比較しサステイナビリティー体制と人権・労働、環境などは進展が見られ、CSR調達基準を策定・公表している企業が増加。ゴミや水使用量の削減など環境面も取り組みが進んでいるが、平和・非暴力・アニマルウェルフェアは遅れる傾向がみられた。

消費
リサイクル前提の物作り 衣料廃棄禁止の欧州で関心繊研,〔24・4・30(4)〕

州で衣料品の廃棄禁止が決まり、回収・リサイクル義務化も検討される中、リサイクル可能な新素材や、高度なリサイクル技術が注目されている。特にリサイクルの際に分離が困難なポリウレタンを使わない物や、生地や製品を単一素材に置き換えた提案が広がる。また合繊のケミカルリサイクル技術も様々な素材で進化している。4月26日までドイツで開かれた繊維見本市のテクテキスタイルでは、リサイクル関連の提案が活発に行われた。

健康・快適性
衣料と協業加速/磁気治療器繊研,〔24・4・24(1)〕

磁気治療器「ピップエレキバン」で知られるピップは、衣料品や服飾雑貨との協業を強化する。ひも状のフレキシブル磁石を開発し、ネクタイやシャツの首部分、靴下のふくらはぎ部分などに縫い込むことが可能になった。衣料に健康の切り口をプラスしながら、協業先と新しい需要を作っていく。