行政
経産省「ファッションロー」ガイドラインを公表繊研,〔23・3・31(1)

経済産業省はファッションビジネスに関わる知的財産や契約、人権対策など様々な問題を対象にした法分野「ファッションロー」に関する初のガイドライン「ファッションローガイドブック2023~ファッションビジネスの未来を切り拓く新・基礎知識~」を作成し、3 月31日に公表した。21年11~12月に開き、22年4 月に報告書を公表した有識者会議「ファッション未来研究会」で示した政策の一環。

規格関連
JIS衣料品サイズの規格改正 嗜好や購入の変化踏まえ繊研,〔23・3・22(2)

JIS(日本産業規格)は3 月20日、衣料品のサイズに関する規格を改正した。成人男女の小さいサイズや大きいサイズの追加、男女兼用サイズの新設などを実施した。主な改正点では、L 4004(成人男子用衣料のサイズ)に、小さいサイズ「SS」と大きいサイズ「3 L~ 5 L」を追加した。L 4005(成人女子用衣料のサイズ)には、SSと4~ 6 Lを追加したほか、体型区分はほぼ使われていないとして削除した。また、L 4004とL 4005いずれにも「男女兼用」サイズを設け、基本身体寸法は、製造業者や販売業者が許容範囲とする値を表示できることとした。

素材
熱を加えれば立体に繊研, 〔23・4・12(1)〕

ネイチャーアーキテクツは「エイポック・エイブル・イッセイミヤケ」と共同で、熱を加えるだけで立体に変形する布「スチーム・ストレッチ」の設計製造技術に成功した。この技術により縫製がほとんど必要ないジャケットなど立体的な衣服を生産できる。スチーム・ストレッチは布に熱を加えることで特定の糸が縮み、伸縮性のあるファブリックになる。どのように熱収縮糸を配置するかを立体から逆算して平面に落とし込む。

アパレル
バングラデシュの余剰在庫、日本でアップサイクル、販売へ繊研,〔23・3・8(1)〕

衣料品の輸出大国バングラデシュの工場で発生するキャンセル品を、日本の企業チームがアップサイクルして販売するプロジェクトが始まった。同国に特化したO E Mのわんピース、アパレル在庫売買のマッチングプラットフォーム「スマセル」を運営するウィファブリック、「ヨシオクボ」のグラウンドフロアが手を組み、スマセルなどで販売する。日本企業が同国の行き場を失った衣料品を加工し国内で販売するのは珍しい。

アパレル
攻勢に転ずる中国ファッション業界繊研,〔23・3・17(1)〕

ゼロコロナ政策からの転換を受け、中国ファッション業界が動き出した。3 D・CGを軸にしたデジタルソフト技術の世界進出や合同展への海外企業誘致が活発だ。新規サービスの提供で市場拡大を急ぐ。3 D・CGを中心としたファッションデジタルツール開発のスタイル3 Dは、欧米や日本市場への進出を本格化する。今後は、大手・中小アパレルメーカー、テキスタイルメーカー、縫製工場などのユーザーを世界に広げ、3 年後には世界市場で1 万社、売上高1 億ドルを目指す。

消費
災害時用の衣料 備蓄していますか繊研,〔23・3・29(8)〕

災害時の衣料備蓄に関するアンケートを繊研プラスメールマガジン会員に行った。「災害時に備えて衣服やタオルなどの繊維製品を備えているか」との問いに5 割強が「備えていない」と回答。防災バッグの中に入れてある繊維製品は、「タオル」33%、「下着」23%「靴下」13%と続いた。災害時の防災衣類に必要な機能は「保温性」90%、「防護性」66%。意見は、「寝袋の代用になる機能」や「防災袋自体が防水であれば衣類の備えも生きる」など。

消費
“繊維to繊維”推進 服を燃やさず資源循環繊研,〔23・4・3(2)〕

葛飾区と一般財団法人テキスタイル・サーキュラー・ネットワークと連携し、廃棄衣料の資源化を進めるため協定を結んだ。葛飾区が回収している衣料品は年200トン、年2000~3000トンのもの繊維製品が破棄され燃やされていると推定されている。回収した衣料品を①古着としてのリユース、②工業用雑巾などへのリサイクル、③ 2 ~3 割程度残るリサイクル不適合物を再生ポリエステル等再生原料に変えることで将来的に廃棄物0 を目指す。

健康・快適性
3 D技術を製品開発に活用繊研,〔23・4・28(4)〕

モリリンは3Dデジタル技術を活用し、開発したい製品の特徴を、パターン、素材に落とし込み、体形アバターに着用させて部位ごとの着圧を検証する。着心地の良さを実現するために、パターンの修正にとどまらず最適な素材の開発まで踏み込む。

その他
高級ブランド 日本の技注目読売,〔23・4・29(10)〕

海外の高級ファッションの世界で、日本のメーカーや職人の技術が注目されている。高級品市場が世界的に拡大しているのに加えて、デジタル化が進んだ反動により、人間の手による技術の価値が高まっていることが背景にある。だが、日本は国をはじめ、組織的で継続的な支援に乏しく発信力も弱いなど、課題がある。