行政
EUへの輸出、原産地証明書を不要に繊研,〔12・1・11(1)〕

EUは、日本から同地域へ繊維製品を輸出する時に原産地証明書または原産地申告書の提出を求めるEU規制の廃止を規則に定め、11月に施行した。規制は70年代に義務付けられていた。

行政
5年ぶり数量プラス-11年の衣類輸入-繊研,〔12・2・21(1)〕

財務省貿易統計をもとに日本繊維輸入組合がまとめた11年の衣類輸入は数量、金額ともに高い数字を示した。数量でも前年比6.1%増、円ベースで11.9%増を記録。数字を裏付けるような市況の急回復は実感できないものの、中国からの輸入が復調したほか、円高も作用したとみられる。注目は、東南アジア諸国連合からの輸入急増で、40%以上伸びた。シェアも10%を超え、チャイナプラスワンの開拓が急速に進んだことを実証した。

素材
先端技術でリード繊研,〔12・1・6(1)〕

合繊メーカー各社が、新素材の開発を活発化させている。今や世界の合繊生産に占める日本メーカーの数量シェアはごくわずかとなったが、先端技術では依然、世界をリードしている。歴史的円高など厳しい経済環境もあって当面、経営効率化の努力は続くが、構造改革に一定のめどをつけ、次は新たな原糸やテキスタイル、加工などの開発で成長に転じる構えだ。ここでは、合繊各社の最近の動向を紹介している。

アパレル
過去最高の95億ドルへ-11年日本の繊維品輸出-繊研,〔12・1・16〕

11年の日本の繊維品輸出は過去最高の95億ドルとなる見通しだ。高機能繊維や産業資材向けが好調で、東アジア、欧州への輸出が全体を引っ張った。欧州経済への懸念はあるが、今年は初の100億ドル超えも現実味を帯びてきた。原料、糸、織物全般に言えることは、日本の得意とする高い機能をもった商品が受け入れられている点で、スポーツ衣料向けやバッグ向けなどが人気となっている。

アパレル
海外に売り込む皮革業界 継続出展で着実な成果を繊研,〔12・1・20(8)〕

内向きといわれてきた皮革業界が変わろうとしている。経済産業省の支援を受け、2月ニューヨークコレクションで初めてプレゼンテーションを行うほか、イタリアの国際靴見本市ミカムや国際皮革製品見本市ミペルへの団体出展を継続する。国内市場は縮小し、業界を取り巻くグローバルな動きが活発化、さらに歴史的な円高が追い打ちをかける中、海外の販路開拓は待ったなしとなっている。

流通
商社のチャイナプラスワン開拓 縫製拠点急ピッチで進む繊研,〔12・2・10(1)〕

商社のチャイナプラスワン開拓が急ピッチで進んでいるベトナム、タイは言うまでもなく、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュでの縫製拠点の確保が進んでおり、驚異的なペースでエリアと協力工場群が広がっている。各社一様に強化しているが、重要なのは素材、副資材の調達、現地での検品体制、アイテムによる国の使い分けなど総合力を発揮できるかだ。

クリーニング
エコテックス規格100日本で初の認定全ドラ,〔12・2・20(2)〕

EMクリーニング研究会が先月、人体の健康への安全性を検証する世界的な「エコテックス規格100」に日本で初めて認定されたという。同社は約20年、環境と人体に安全なクリーニングを研究し、EMクリーニングという世界で初めて有用微生物を応用したクリーニング方法を研究開発。エコテックス規格100は人体に危険を及ぼすレベルの有害物質は含まれていないことを保証する世界的に統一された試験・認証システム。世界90か国以上9500社強の繊維・衣料メーカーが認証を取得。

消費
季節感に合う服売ります シーズン前に買う客減る「冬に春物」→「冬に冬物」朝日,〔12・1・10(4)〕

春や秋に夏物冬物を定価で売り、夏冬本番前に一斉セールで値引きする。季節を先取りするこうした衣料品販売の暦がいま、見直されつつある。消費者が感じる季節感に戻すもので、アパレル業界は季節の「端境期(はざかいき)商品」を投入、百貨店ではセール時期を遅らせる検討も始まっている。

その他
日本のCSR繊研,〔12・1・1(3)〕

EU(欧州連合)がCSR(企業の社会的責任)の新たな定義を昨年10月に発表した。リスク管理という側面の強かったCSRはおよそ10年の時を経て、人権・労働、環境、組織統治、社会貢献など多岐にわたる項目を統合してきた。日本企業の海外生産は避けられず、海外での責任を免れられない。しかし、日本と欧米の企業ではCSRへのアプローチの方法がやや異なるようだ。欧米企業が数値や期限を定めて有害物質の不使用などの宣言をするのに対し、日本企業は実現が明確でない段階で期限などの約束をしない傾向にある。

その他
12年「10のキーワード」アパレル工業,〔12・2・1(2)〕

東レ経営研究所は、「2012年の日本産業を読み解く10のキーワード~この底流変化を見逃すな~」と題する調査レポートをまとめた。10のキーワードは、(1)スマートシティ、(2)風力発電、(3)クラウド、(4)異業種間競争、(5)パッケージ型インフラビジネス、(6)先端素材、(7)地産地消、(8)ネット通販、(9)日本の強みの再発見、(10)欧州危機と日本産業。欧州発「世界危機」は日本企業にとっては、強みを発揮できるチャンスになり得るとの見方も示している。