行政「JAPANブランド」確立支援近代縫製,〔09・2・5(1)〕
経産省は、日本の底力発揮戦略の一つとして、「新市場創造プラン」策定を進めている。その中でファッションビジネスを取り上げ、平成21年度予算で「対外発進力の強化」に6億円、「輸出振興強化」として12億1千万円を割り当てる案を発表した。間宮淑夫繊維課長は、「繊維ファッション産業の将来につながる取り組みに政策資源を集中していくため、現場の意見を積極的に取り入れて、支援していきたい」と言っている。
素材バナナ繊維を本格化 エコマークで初の取得日繊,〔09・2・9(3)〕
日清紡は「バナナファイバー」をカジュアルシャツ、ユニフォーム、ジーンズで本格展開する。この素材はざっくりした素材感が特徴で、綿と同様の吸湿性があり、着心地はサラリとしている。綿70%とバナナファイバー30%の8番手混紡糸を中心に販売。販売量は順調にのびており、発売した時期から約4倍にまで増加している。この話題はテレビ東京系列の「ワールドビジネスサテライト」でも取り上げられ、産業は軽薄短小の時代から軽薄炭省の局面に移行していると推定し、繊維産業はエコ繊維で活性化を図っているとして紹介された。
素材NZ「ジーキュー・ウール」広がる繊研,〔09・2・17(4)〕
環境保全、動物愛護を前提にしたニュージーランド羊毛の認証システム「ジーキュー」で生産された羊毛を購入、商品化したウール製品が婦人、紳士服、カジュアルウエアなどで広がりを見せている。ジーキュー・システムは、ニュージーランド各地の牧場の環境保全、飼育管理、牧場などの作業を第三者機関がチェック、査察して認証するシステム。トレーサビリティー(生産履歴管理)も明確で、環境対応にも関心の高い毛紡績、機屋、アパレルメーカーなどが採用を着実に増やしている。ニュージーランドメリノカンパニーは天然繊維国際年でもある今年、一段と普及させる意向である。
加工和装の伝統手法 世界へ繊研,〔09・2・2(3)〕
絞り染めを工業生産し、パリ・コレクションにも多くの製品を出しているエス・ディ・ファブリック(京都)の、ものづくりにかける情熱が紹介されている。洋服を手がけて20年、絞り染めの工場には珍しい、高圧液流染色機、高圧ロータリー染色機、塩縮加工機を有し、他社では扱えないものも手がける。和服からいち早く洋服に切り替えて、有力デザイナーと組んで仕事をしてきているが、洋服の場合、失敗も思いがけない表情や色味が生きるケースも多いという。素材は絹にとどまることなく、綿、化学繊維へも広げ、人の手によるあたたかみが感じられる製品を目指している。
アパレル薄れる高級ブランド信仰日経MJ,〔09・2・11(2)〕日経,〔09・2・19(27)〕
日経産業地域研究所のブランドへの意識調査で、海外ブランドでも手頃な価格で品質がよいものを買いたいという人が6割を占めた。好きなブランドは衣料品では英「バーバリー」、女性のバッグは仏「ルイ・ヴィトン」がそれぞれ首位となったが、衣料品二位が日本の「ユニクロ」になるなど低価格・高品質で知られるブランドが健闘した。消費者のブランド意識も景気悪化によって、信仰といわれた高級ブランドへの意識低下につながっている。一方、手ごろな価格でデザインや品質に優れたブランドへの支持が高まっているようだ。
アパレル活発化する生産地開拓 ポスト中国探しへ ベトナムプラスワンの動きも繊研,〔09・2・18(9)〕
商社の繊維ビジネスで、中国以外の生産に関心を寄せる動きが相次いでいる。中国でのコストアップが背景にあるのは間違いなく、よりコストの安い場所を求めてピッチを早めている。チャイナプラスワンさらにはベトナムプラスワンという言葉も頻繁に耳にするほどだ。ポスト中国をうかがう意味で最も期待が集まっているのがベトナムだ。財務省貿易統計の08年1月からのアパレル輸入を見ても中国の減少傾向が続く一方、ベトナムは数量で2割強のびるなど、数字にも表れている。
アパレルタイ・アパレル縫製業 周辺国全体で競争力繊研,〔09・2・27(2)〕
タイのアパレルや服飾関連の製造業者が作るタイ縫製工業者協会は、タイの企画開発機能を強化し、ASEAN(東南アジア諸国連合)周辺諸国の生産を組み合わせて価格競争力を向上し、日本向けの製品輸出の拡大を図る。昨年12月に発効したASEAN包括経済連携協定(TJCEP)により、タイの記事を使い、ベトナムなどASEAN諸国で縫製して日本に輸出する場合、関税は従来の10~15%から今後はゼロになる。これをうまく活用すれば、求められる品質と価格に合わせた物づくりが可能になる。
流通新型バーコードの活用法日経MJ,〔09・2・6(18)〕
バーコードが2010年から新しい国際標準の「GS1データバー」の普及が始まる。現在のJANコードに比べ、表示面積が小さく、消費(有効)期限やロット番号、値引きなどの付随情報を入れることができ、店頭で商品の安全性をチェックできる仕組みとして期待される活用法を探っている。
消費若者が求める繊維・ファッション辻幸恵,繊機誌,62(1)〔09・1・25〕p70~74
関西圏にある4私立大学と1公立大学の経営学部、経済学部、文学部、生活環境学部のいずれかに在籍する大学生を対象とした質問紙による調査結果である。有効回答数は、男子124名、女子106名、合計230名。まとめを抜粋すると、Tシャツでは快適性、通気性、流行、色落ちしない、動きやすさ、汚れにくい、柔らかい、斬新さ、珍しい素材、オリジナル、流行している、消臭作用が求められている。素材について、男子は、どちらかというと機能面(ノーアイロンや洗濯のこと)がつよい要望となっているが、女子は、肌ざわりや素材の感触(つるつるなど)を重視している。
品質管理ウールマーク・ライセンス料改定1年延期繊研,〔09・1・16(2)〕
オーストラリアン・ウール・イノベーション(AWI)は、09年度に実施予定のウールマーク・ライセンス料の改定を1年延期する。世界的な景気後退がウール製品サプライ・チェーン全般に深刻な影響を与えており、パートナーとの建設的な関係を維持するため、としている。これに先立って、ウールマーク品質基準の、一部改定と、新毛30%以上50%未満の「ウールブレンド」ブランドを09年12月15日付で廃止する。ウールマーク・ブランドの所有権は経営統合によってザ・ウールマーク・カンパニーからAWIに移管。再活性化で新たな品質保証に焦点を当てる方針を発表している。